▽呼び名/七尾太一 ページ16
『太一くん』
「なんスか？？」
『疑問を投げかけてもいいですか？』
私の声に首をかしげながらも、いいっスよ〜と快く答えてくれる太一くん。
『いづみさんの呼び名は？』
「呼び名、ッスか？」
『なんて呼んでる？』
「監督センセー！」
ニカッと効果音が付きそうな笑顔で大きく答えてくれる。
そうなんだよねー。
『それじゃあ私は？』
「Aちゃん！！」
『それなんですよー！』
「へ？」
何のことかわからない、と首を傾げる太一くん
逆になんでなんとも思わないのかな？
『ちゃん付けはやめない･･･？』
「なんでッスか？」
『ちゃんってなんか、恥ずかしいんだよね』
「じゃあなんて呼べばいいんスかね〜」
うむむ と首をひねり考え始めたので、なんと呼ばれるかワクワクしながら待っていると。
真剣な顔付きで見つめられるので、慌てて背筋をピンと伸ばす。
「Aさん」
『っ、』
「とかどうすかね？？」
『ん〜っ！！』
「ど、どうしたっスか！？」
どこかさん付けがこそばゆくて、両手で顔を隠すと
心配した太一くんが慌てふためくのが視界に入る。
その姿からは今さっきの真剣な顔付きなんて想像が出来なくて、
ふっと笑って彼の頭に手を伸ばし頭を撫でる。
『やっぱり今のままでいいかな』
「どうしてっすか･･･？」
『なんか、恥ずかしいんだもん』
今はまだ、そのままで。
なんて思ってしまったのは秘密だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
R1(プロフ) - いつも楽しく読んではひとり変な舞を踊っております。そこで十座くんで帰りが遅くて心配されるというシチュエーションをお願いしたいです！お時間があれば書いていただけると嬉しいです！ (2022年6月9日 21時) (
レス) id: f12a74fee1 (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - 初さん» 初めまして。誤字報告ありがとうございます、そして気付かずにすみませんでした...。これからも更新頑張っていくので不束者ですがよろしくお願いします！ (2022年4月17日 23時) (レス) @page45 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
初(プロフ) - 初めまして、お話素敵でした！卯月さんではなく卯木さんですので誤字報告させて頂きました。 (2022年4月17日 20時) (レス) @page45 id: 14241c496e (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - さらさん» 喜んでいただけたようで良かったです！こちらこそありがとうございました！！ (2022年3月21日 20時) (レス) @page44 id: c4adadee4d (このIDを非表示/違反報告)
さら - お話最高でした！！書いてくださりありがとうございます！！綴くん格好よかったです！！本当にありがとうございました！！ (2022年3月20日 23時) (レス) @page44 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零音 | 作成日時：2017年2月24日 16時
