【あんスタ】ただの用務員ですが。なにか？ (ページ10)

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59.一言余計ページ10

『し、しんかいくん･･･！』

「わっ、ようむいんさんどうしたんですか～？」

『癒しを求めてここまで来ました』

「おつかれさまです～」

ここ、とは水槽がたくさん並んでいる海洋生物部。

なんか海を泳いでたり漂ってる生き物見てると、考え事とかどーでもよくなってくるからさ。
流石に最近色々ありすぎた･･･。Knightsの件も父さんの件も、それに。

『･･･って、あれ？』

「ん？用務員さんじゃん、どしたの～？」

『サボり常習犯の羽風くんが珍しい』

「もう、酷いなぁ。俺だってちゃんとやる時はやるんだよ？」

『それ年に何回だよ』

「も、もっとあるって！」

どうだかな～とからかってみれば、それに気付いたのか頬をふくらませてそっぽを向かれた。

あ、さすがに気付かれた。いやぁ、ここの生徒達ってわりかし素直な子多いからからかうの楽し。

『ははっむくれんなよ』

「･･･誰のせい？」

『悪いってば』

「意外と用務員さんってSっ気あるよね～、Ｍっぽいのに」

『だぁー！もう、一言余計だっつーの！！』

そう言われてむくれるのはこっちの番。
俺に気が付いた羽風くんは反撃だ、と言わんばかりに攻撃してくる。

「そうやって攻撃されると反抗してくるからＭっぽいとか言われちゃうんだよー？」

『羽風くんの癖に生意気･･･！』

「ふふんっ」

俺をからかって機嫌が治ったのか、次は鼻歌を歌いだす羽風くんに翻弄されてしまう。

最近の若い子の行動本当に分かんねぇなぁ。意図が読み取れねぇ。

『っはぁー、クラゲになりてぇ』

「･･･？」

『･･･そしたらこんなに悩むこと、ねぇのになぁ』

俺が小さく呟いた声は、誰の耳にも届かずに消えて行った。