4.背に腹はかえられぬ ページ4
『誰もいない･･･よな？』
ガーデンテラスに着いた俺は、ぐるーっと周辺を見渡して誰もいないことを確認する。
よかった、助かる。
これならさっさと掃除とか手入れ終わらせれば遭遇せずに済むだろ。
「あっ、用務員さんっ！」
『お〜、えっと･･･そうだ紫之くん』
「はいっ！」
草の長さを整えるように切り落としながらそんなことを思っていた矢先、紫之くんから声がかかった。
彼の笑顔にとても癒される･･･。声も少し高めで、聴き心地がいいんだよな。
『紫之くんに質問したいんだけど』
「僕がわかる範囲ならお答えしますよ」
『･･･もしかして今日って、』
なんて声を出して聞こうとした瞬間、何かに手を掴まれる。
『･･････え、』
「おい〜っす」
『･･･っうわぁぁあああ！？！？』
「ふぁあ･･･うるさいなぁ」
待ってよ待ってくれよ心臓止まるかと思ったぞこちとら。
手を掴んだのは、いつの間にか俺の足元で寝転んでいたらしい朔間くんだった。
『いやいやいや、急に手を引っ張られたらなぁ誰だってビックリするんだよ！！』
「だからうるさいってば〜」
『ここの生徒って全然話聞かないな？』
噛み合ってない一方的な主張に軽くため息をついて、掴まれた手を離そうと試みるもののそんな気配はこれっぽっちもない。
馬鹿力だなぁ！？おい！！アイドルがそれでいいのか！？握手会来てくれた女子の手とか握りつぶさないよな！？
『ちょっ、朔間くん痛い！加減を知ろうな！？』
「･･･俺は凛月」
『ご、ごめんっ！凛月くんギブアップ！！』
名前呼びは好きじゃないんだけど、背に腹はかえられぬってやつだ。
渋々、力を緩めた彼の手から逃れる。
『ここまで来たら紫之くんに聞くまでもないなぁ』
「そうでした、質問はよかったんですか？」
『うん。
今日紅茶部の活動あるかって聞きたかったんだけど、2人がいるならありますよねぇ』
はてなマークを頭の上に出す紫之くんと、にやりと笑う凛月くんを交互に見てため息をつく。
いいんだ、二人は全然いいんだよ。
凛月くんだって癖はあるけどまぁ、結構素直だしいい子だし。
「おや、今日はお客さんがいるんだね」
皇帝なんて呼ばれてる彼が、気に食わないんだ。
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零音(プロフ) - 不眠猫さん» 申し訳ありませんでした。訂正いたしましたのでご確認お願いします。ご指摘ありがとうございました。 (2018年3月11日 15時) (
レス) id: 86bc35ccfa (このIDを非表示/違反報告)
不眠猫(プロフ) - に〜ちゃんの苗字は[仁兎]です (2018年3月9日 23時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆたん | 作成日時：2018年3月2日 22時
