僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ6)

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○ ページ6

『うわぁ、俺も久々や！』

少しそれた脇道が開けると、大きな池のある公園が見えた。

「ボート乗ろ！」

めちゃめちゃはしゃぐやん(笑)

俺の手をぐいぐい引いて、乗り場のおっちゃんにお金を出すA。

『あ、俺出すのに』

「さっきご飯払ってくれたし、ここは奢らせて！」

かっこつけるところはかっこつけさせてくれるけど、こういう気遣いもできちゃうんよ。

白鳥の形をしたボートは、二人で漕いでもそんなにスピードは出ない。

ゆったりゆったり陽の光を浴びながら、たまに同じくボートに乗ってる家族と話したり。

「ええな、親子で公園」

『せやな…俺らも…』

「ん？」

『なんでもない』

…俺らも結婚したらあんな家族になれるんかな、とか柄にもないこと考えたり。

チケットに書かれた時間になってボートを返して、目指すはソフトクリーム。

『普通にあるやん』

「古くなったなぁ…」

屋根が錆びた売店で、バニラとチョコがミックスされたソフトクリームを1つ。

俺はチョコ単体でええわ。

さっきボートで会った家族もソフトクリーム食べとる(笑)

“おいしい”と満面の笑みを浮かべる子どもに、これまた満面の笑みで頭を撫でるお母さん。

そして、それをビデオにおさめるお父さんがいて。

なんでもない日常やけど、何年後かに見直したりして夫婦でお酒飲むんやろなぁ、とか考えちゃうよな。

「ちっちゃい子ってなんであんなに癒やされるんだろ」

『ほんまな、おるだけで可愛いもんな(笑)』

この前Aと遊園地行ったとき、ちっちゃい子が迷子になったん助けてたのをふと思い出す。

めちゃめちゃいいオカンになるやろな、A。