僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ33)

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○ ページ33

「ねえねえ、この写真は入れたくない？」

『何か2人とも芋っぽいなぁ(笑)』

Aが見せてきたのは、おそらく2人が初めて出会ったときの写真。

大学の天文学サークルの新歓でたまたま同じテーブルになったんよな。

俺が3年生、Aが1年生で。

Aは少し表情がかたい…緊張してたんやろな。

こんときの俺はと言えば金髪。

ふと前にあるテレビに写った俺の髪の毛は焦げ茶色で、大人になったなぁ、なんて。

このへんは付き合ってしばらくしたときに
「付き合う前に2人で写ってる写真もアルバムに入れよ」
と無邪気に提案してきたAに乗っかって印刷したもの。

サークルでの写真が並ぶ中、ついにツーショットの写真が出てきた。

『これ付き合った日ちゃう？』

「そうだね。2人ともおしゃれ頑張ってる」

2人とも照れくさそうに笑っている写真は、おそらく告白した直後に撮ったもの。

俺はチェック柄のジャケット着てて、Aはシフォンワンピースにカーディガン。

うん、覚えてる。確実に当時の勝負服や、これ(笑)

『これも入れよか』

「記念日だもんね」

このペースでやってたら全然終わらんのやけど。

それでも、こうやって2人で積み重ねた日々を振り返る時間はいくらあってもいいと思う。

「ねぇ、ここまででもう8枚ある」

『嘘やん、まだ1冊目終わってないやろ？』

「まぁ、後から絞ればいいよ。とりあえず良さげな写真全部出す！」

普通に全部良い写真やから印刷してるんちゃうの、という言葉は鼻歌交じりでご機嫌なAを見てたらどこかに消えていった。