僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ32)

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story6￤写真￤Junta.N ページ32

『意外とあるなぁ(笑)』

“写真は印刷して、実物で残そう”

付き合って1年と少しを過ぎた頃やったと思う。

Aがそう言って、1台のデジカメを持ち出してきたのは。

どうやら親御さんがもう使わないからとくれたものらしい。

確かにスマホやと、いつでも見れることとか、持ち運べることとか

たくさんのメリットはあるけど、何となく味気ないと思ってしまうのは俺が機械音痴やからかもしれんけど。

毎回会う度にデジカメ持参、というのも大変だよなぁって話にもなって

遠出するときと旅行のときにはAが首から下げて持って来るのが定番になっていた。

いくら機会を限定したとはいえ、5年以上のお付き合いを重ねた俺ら。

その写真の量はめちゃめちゃ多い。

『何枚に絞ればええんやっけ？』

「んー…30枚程度って言ってたけど、できるかなぁ？」

アルバムの枚数は5冊と、中途半端なのが1冊。

「これ、1冊に300枚入ってるらしいよ(笑)」

Aがアルバムの背表紙にはさんであるラベルを指差す。

そこには“300枚収納でこの薄さ！”とデカデカと書いてあるから笑ってしまったけれど。

いや、冷静に考えて2000枚から30枚選ぶって無理やろ…

「あ、これ、沖縄行ったときの！」

目の前のお嬢さんはやけに楽しそうやけど(笑)

『ふは、ジュエルも見る？』

まぁ、こういうタイミングでしかアルバムゆっくり見ることもないし、しばらくは思い出に浸りますか。