僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ31)

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鳥居をくぐって、二人並んで賽銭箱に5円を入れる。

二礼、二拍手をして、お願いごとをしたら、一礼。

終わって隣を見ると、Aはまだ真剣な顔で手を合わせていて。

冬服やのに、浴衣姿を思い出すから不思議やなぁ。

「…え、見ないでよ、恥ずかし(笑)」

寒くて赤くなった鼻の頭を隠すようにマフラーに顔を埋めたAの手を握る。

『いや、めちゃめちゃお願いするなぁって(笑)…あ、甘酒飲む？』

「飲む！」

『買ってくるから、そこ座っとき？』

あー、あのときも、飲みたいって言われた瓶ラムネ買いに行ったな。

慣れない下駄に靴ずれしたAは、今日と同じベンチでお留守番で。

このベンチ、少し奥まったところにあるから全然人おらんのよな。

『ほい、あっついから気いつけてな？』

「ありがと、あったかい」

ふー、ふー、と冷ましながら飲んでいるAの顎に手を添えて、ゆっくり近づく。

「…ん、ねぇ、急にチューするのやめて(笑)」

そう言って笑ったと思ったら、急にあわたわしだすA。

『何？』

「あのときと、いっしょ…」

『ふは、気づいた？』

からかってるけど、結構俺もドキドキした(笑)

_______こんな風に、後々頬を染められるような思い出とともに、これからもAと歩んでいけますように。

こんなことを祈ってた、なんて言うたら、Aは笑うやろうな。

そう思いながら、抱きついてきた彼女を受け止めた。

story5￤思い出￤Ryusei.F -fin-
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順位つきました。ありがとうございます。