僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ22)

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○ ページ22

「望も行ってきな？」

そう言って背中をぽんっと押されるから、教授のところへ。

あぁ、赤字あるってことは、俺も修正有りやん…

《ふっ、さっきのAさんと同じ顔》

「人のこと笑ってる場合じゃないんですけど(笑)」

けらけら笑いながら荷物を整理するAに、それ飲んでええよ、と目？というかあご？で合図。

ありがと、と口パクで返ってきたのを見届けてひと頑張り。

《こんなもんかなぁ、他気になるところは？》

『いや、大丈夫っす』

大丈夫も何も、俺は今のまんま提出でもいいんやけど…？と、心の中で軽く悪態をつく。

いや、先生のことは好きやけどさ、それとこれとは別やん？(笑)

「終わったー？」

『うん、終わった』

おそろいのペンケースに、Aからもらったボールペンをしまう。

「まだそれ使ってたんだ…」

普段は基本シャーペンしか使わんからな、俺。

『逆にこれしかボールペン入ってないもん』

「えー、なんか嬉し…」

《はい、ここでいちゃいちゃしないで帰る！》

あ、まだ教授の部屋やった。

『こんなんいちゃいちゃちゃうやん(笑)』

「ふふ、私たち仲いいから」

急かされるように部屋から出ると、そっと繋がれる手。

『…この後のご予定は？』

「んー？バイトもないから帰るだけ」

『奇遇、俺も。どっか行っちゃう？』

「行く！」

…確かに、こんなふうに気軽にふらっとどっかに行くのは、4月からは無理なのか。

「…望？」

『あー、ごめんごめん。どこ行く？』

何だかんだ、俺も寂しいなぁ。