僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ3)

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○ ページ3

“大毅くん、お久しぶりね”と柔らかい笑顔で迎えてくれたAのお母さん。

顔は似てへんけど、ふわふわした雰囲気がAと重なる。

「お母さん、今日大毅くんとお出かけしてくるから夜ご飯いらない！」

“わかってるわよ～。大毅くん、うちの子よろしくね？”

…よろしく、ってええよな。

なんか、託されてる気分になるというか。

やっぱり、Aのことは俺が守らなあかんねんなって改めて思う。

『Aのお世話は任せてください！』

「ちょっと？お世話されてるつもりないんやけど…」

胸のあたりをポカポカ叩いてくるけど、全く痛くない(笑)

そして、ふとAから出てきた関西弁に懐かしい気持ち。

東京に行ってからたまにしてた電話も、いつからか標準語になってしまって。

付き合ってるはずなのに、少し遠い人のように感じていた。

ちゃんとAが俺のことを好きなことはわかってるし、もちろん俺もAのことは好き。

好きっていう言葉だけで表すのがもったいないくらい。

「だいちゃん…？」

『ん？』

「ぼーっとしてたから。大丈夫？」

『ごめんごめん、全然大丈夫。どこ行きたい？』

こんなに近くにおるのに、なんやろな、このもやもや。

「だいちゃん変なの…あ、あそこ行きたいな、久しぶりに」

『確かに腹減ったよな。俺もあんまり行ってへんから行くか』

Aが指定してきたのは、大学の近くにあった洋食屋。

…俺がAへの恋心を自覚した場所。

当時のことを思い出したら、少し胸がドキドキ。

それがバレないようにAの手をぎゅっと握り直すと、それに応えるように少し強く込められる力。

「ふふ、なんか、いいね？」

『…せやな(笑)』

…やっぱ好きやなぁ、ほんまに。