僕が君の為に笑おう《JW》 (ページ17)

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○ ページ17

レストランの中に流れるBGMが小さくなる。

「…え？」

段々と薄暗くなる照明に戸惑うA。

「たーくん…？」

そんな不安そうな顔せんといて(笑)

さっきまでバクバクしていた心臓が、少しずつゆっくりになる。

よし、落ち着け、俺。

『あんな？今日は聞いてほしいことあってな？』

「う、うん…」

『ちょっと過ぎてもうたけど、この前、付き合って丸3年やったやん？』

せっかくの告白やったのに、何もかっこいいことができんかったあの日。

ほんまはレストランで気持ちを伝えるはずだったのに、なかなか言い出せなくて。

結局、伝えられたのは彼女の家の前。

しかも、「俺と付き合ってください」というたったのワンフレーズなのに…確か3回くらい噛んだ気がする。

そんな俺に呆れるどころか、泣きながら返事をしてくれたA。

しっかり者の彼女は、いつも抜けてる俺のことを笑ってフォローしてくれて。

表立ったデートできひんくても、何も言わん、ほんまにできた子。

そんな彼女に不安になって、一度だけ思ってもない『別れたい』を言ったときが、唯一のケンカやな。

あのときは、俺よりええ人がおるって本気で思ってたから。

確か一週間くらい話さんくて…

Aに「一回話し合おう」って言われて会ったときは、目があった瞬間に大号泣したな。

車の中やで？ほんま、何しとんねん俺(笑)

俺はいい思い出やと思ってるけど、Aはどうやろ？