9. 迷惑 ページ9
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あったかい・・・
松本くんって、こんなにしっかりした身体だったっけ・・・?
私の中では、
「松本潤です。よろしくおねがいします!」
新入社員の挨拶で、まだオトナとは言い切れないかわいい顔でそう言った彼しか思い出せない。
あの頃の彼の印象は、とにかく、細っ!顔小さっ!でも濃い!(笑)くらいしかなくて、
そんな彼に、今こうしてがっしりと受け止めてもらってるのが不思議でたまらない。
「松本くん・・・大丈夫・・・」
そう言って、彼の胸に手を押し付けて身体を起こそうとするけれど、お酒のせいなのか、足にも腕にも力が入らない。
「わっ・・・」
しまいにはバランスを崩してしまい、結果的に松本くんは、私を抱きとめたまま、ガードレールに腰掛ける体勢になった。
「ごめ・・・」
「もー・・・一体どんだけ飲んだんですか?」
呆れるようにつぶやいた松本くんに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「ちょっと・・・だもん。」
「・・・だもん、って(苦笑)」
そんな状況にもかかわらず、なぜか彼の胸は心地よくって、右ひざの上に座らされる形になった私は、ちょっとだけ照れくさくなった。
照れくさくなったことで言葉が出ずにいると、松本くんも何も言わない。
すると、そのぬくもりと静寂で、今度はだんだんまぶたが重くなってくる。
「・・・え?おい!」
そうして私は、遠くのほうでかすかに彼の声を聞きながら、ゆっくりとまぶたを閉じて、音のない世界へと旅立った。
次に音を聞いたのは、頭の上から聞こえてくる、特徴的な声だった。
「ふざけんな、って。」
「ありえねーだろ?」
「なに言ってんだよ!」
その、ちょっと怒っているような声でさえ、ふわふわと眠りの世界と現実との間をさまよっている私には心地よい。
「迷惑だ、っつの。」
その言葉に、ちょっと現実寄りになる。
迷惑・・・
私のことだよね・・・?
そんなことを考えながら、目を閉じて声だけを聞いていると・・・
「早く来いよ。こんなとこ誰かに見られるのだけはカンベンしてほしいんだけど・・・マジで。」
迷惑って、結構なレベルなんだな(苦笑)
そうだよね。
会社の近くで、こんな30過ぎたオンナと抱き合ってましたなんて、会社の子に見られでもしたら・・・
そう考えたら、またもや申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時