43. 浦島太郎 ページ43
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今までにも、
“おまえが納得して決めてしたことなら、俺が口を出すことじゃない”
何度もそう言ってもらったっけ・・・
「・・・いいか悪いかと言われたら、わかりません。」
今までは仕事のことだったけど、今回は恋愛感情が絡んでいることもあって、自信がない。
そんな私の自信のなさなんて、お見通しって感じの櫻井さんは、
「そっか。まあ、そのうち、ちゃんと分かるんじゃねえ?」
ふわりと笑いながらそう言って、やっぱり今回も私を責めなかった。
それで急に気持ちが軽くなった私は、松本くんのことを話し出した。
「私・・・なんか、浦島太郎の気分なんです!」
何言ってんだ?って顔で私を見てる櫻井さんに、そんな気持ちを説明する。
「だって・・・私の中の松本くんって、新人の半年がすべてなんですよ?あどけなくて、先輩に叱られたり、頼りなさげな・・・そんなイメージ。なのに・・・」
「まあ、おまえとの接点で言えば、そうかもな。」
「だから、私の中の松本くんは、まだまだ子供なんです。でも、そういう態度で接すると、それが気に入らないみたいで・・・」
キスされたことは言わずに、核心はつかないまま、説明していると、
「で?今日はなんであんなに機嫌が悪かったんだよ(苦笑)おまえ、何したの?本当は心当たり、あるんだろ?」
そう言われてまた口をつぐむ。
「・・・なんで私なんですか?(笑)プロジェクトメンバーなんて他にもいるのに。」
すると、フフッて笑った櫻井さんは、楽しそうに言った。
「だって、あいつ、今日さあ・・・おまえの後姿に向かって、“俺はガキじゃねえ!”って悪態ついてたもん(笑)」
「はあ?なんですか?それ。」
「・・・夕方くらい?おまえが会議室から出てった時。なんかじっと見てんなあって思って、あいつの視線追ったらおまえがいて。で、このヒトコト(笑)絶対おまえにガキ扱いされてムカついてんだな、って思うだろ(笑)」
「・・・」
「そもそも、今のうちの会社に、あいつのことガキ扱いするやつなんて、いねえから(苦笑)」
そう言われて、昨日のことを話しちゃおうかなとも思ったけれど、
そうすると必然的に、キスされたことも、それに付随することも、全部言わなきゃいけなくなるから、
「・・・まあ、そうですね。あまりにも子供っぽかったので、つい口にしちゃって。だから、ムカついたんでしょうね。」
そう言うだけにとどめておいた。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時