36. 3回目 ページ36
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残念なことに、料理もお酒もおいしかった。
もっと残念だったのは、松本くんの話題が豊富だったこと。
さらに彼は、話の聞かせ方もかなり上手で、思いがけず楽しい時間をすごしてしまった・・・
だから、一番残念だったのは、すっかり彼のペースに乗せられていた、自分。
「・・・ちょっと。Aさん?大丈夫?ほら、帰るよ?」
そんな声が、ふわふわとした感覚の中で聞こえる。
「大丈夫ー(笑)ほら(笑)」
そう言って、片足立ちを披露してみると、
「それ、意味わかんねーから(苦笑)」
って松本くんが苦笑いした瞬間、グラリと視界が揺れた。
「っと・・・あっぶねーなー・・・」
倒れそうになった私を抱きとめてくれた松本くんに、軽く叱られて、シュンとする。
「ごめん・・・」
思わず松本くんの顔を見上げて謝ると、そのままカクンと膝が抜けた。
「きゃ・・・」
「うわっ。」
膝が抜けたことで、私はもちろん、私の身体を支えてくれていた松本くんまでを道連れにして、畳の上に倒れこむ。
「「・・・・・・」」
組み敷かれる体勢になったまま、ぼんやりと松本くんを見上げていると、
少しの沈黙の後で、
「あっ・・・ぃや・・・ッ」
松本くんの顔がゆっくりと近付いてきて、そのまま彼は、私の首筋に唇を落とした。
最初は食むように首筋に当てられていた唇は、そのままゆっくりと耳元へと移動して、
「Aさん・・・」
ちょっとクセのある声を低音で響かせながら、私の名前を呼ぶと、そのまま私の耳たぶを軽く噛み、
その刺激に身体を震わせた私に、フッと満足そうに笑った後、
もう一度ジッと私の瞳を見つめた後で、口をゆっくりと薄く開きながら顔を近づけてきた松本くんは、
そのまま自分の唇で私の上唇を挟みこみ、それから下唇を舌でなぞると、
啄ばむようなキスを繰り返しながら、ゆっくりと舌を挿れてきた。
も・・・なん、なの?
今日3回目の松本くんのキスは、他の2回のキスよりもいやらしくて、
ゆっくりと口内をなぞられてるだけなのに、身体がどんどん熱くなっていく。
飼い犬に咬まれてるだけ・・・。
そう思おうとしてるのに、
「ん・・・っ」
思わず甘い吐息が漏れて、自分でびっくりしてしまう。
それなのに・・・急に唇を離した松本くんは、ハァって色っぽい吐息を漏らした後で、
「Aさん。送ってく。」
って私の手を引いて、私をゆっくりと立ち上がらせた。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時