検索窓
今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:515,702 hit

34. 幻聴 ページ34

.



結局、駅に着くまで私の手を離さなかった松本くんは、


“俺に落ちるのが怖いの?”


っていう変な脅し文句を振りかざして、私から連絡先を奪った後、


「じゃあ、明日からもよろしくね?月野先輩(笑)」


そう言って、反対方向のホームに続く階段を下りていった。




なんだ、食事に行こうとか誘われるかと思ってたのに・・・




「ハッ!私ったら、何を・・・」


今日の今日ですっかり影響を受けまくっている自分に呆れる。


そんな自分の頬をぺちぺちと叩いた私は、松本くんとは反対のホームへと続く階段を下りて、向かいのホームに目を向ける。


すると、電車は行ったばかりなのに、松本くんはまだホームに残ったまま、誰かに電話をかけていた。


なあに?楽しそうな顔しちゃって。


その無邪気そうな笑顔を見て、あのときの彼女かな?なんて思いながら、松本くんから遠ざかるように、ホームの端へと歩き出す。


ああ、なんだかいろいろありすぎて、疲れた・・・


時計を見ると、まだ19時。


「おなか空いたなー・・・今日は何食べよ・・・」


日本に来てからほぼ1ヶ月。


最初の頃は、ミーケルとふたり、もしくは、ミーケルと同僚数名とで夕飯を食べることも多かったんだけど、


最近はミーケルも同僚に誘われてご飯に行くことも増えてきて、毎日一緒と言うわけじゃないから、


気が向いたものを気が向いた場所で食べたりしてる。


そんなことを考えながら、


「っていうか、疲れた・・・」


思わずそうつぶやくと、


「じゃあ、おいしいものでも食べに行こうよ。」


さっきまで散々聞いていた声が耳元から聞こえてきて、思わず幻聴かと思った。


「フッ・・・やっぱり疲れてる・・・」


線路を見つめながら、乾いた笑いをこぼしていたら、


「え?まさかのシカト?(笑)」


そう、はっきりと言われて、声がする方向に顔を向けると、そこにいたのは、さっき別れたはずの松本くんだった。


「え・・・?さっき、あっちの・・・」


ホームにいたよね?って言おうとした私の言葉は、


「やっぱまだ一緒にいたいな、と思って。」


っていう松本くんの言葉でかき消されて、


さっきと同じように手をつながれた私は、手を引かれるままに、ホームに入ってきた電車に乗り込んだ。



.

35. 生意気→←33. やめないよ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (598 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
838人がお気に入り
設定タグ:松本潤 , , ゆん*   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。