30. 今度は ページ30
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び・・・っくりして、固まっていると、松本くんの唇が、ゆっくりと離れた。
目を開けたままだったこともあり、比較的すぐに松本くんと目が合うと、
彼は、さっきまでの強い視線ではなく、色っぽい、艶を含んだ瞳を細めて、フッと微笑んだ。
そして・・・私の目をジッと見たまま、口角を上げると、
「今度はちゃんと目ぇ閉じろよ?」
そう言って、そのままカバンを持って、会議室から出て行った。
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えーっと・・・
今の、なに?
っていうか!!!今、キスされた!?
ようやく我に返って、さっきのキスを思い出す。
しかも・・・
「今度は、って・・・言った???」
自分の唇に重ねられたやわらかい感触と、ふわりと一瞬漂ってきた彼の香りを思い出して、急に顔が熱くなるのを感じた私は、
ほっぺに両手を当てたまま、人気のない会議室で、
「どういうことっ!?」
と、叫んでしまった。
突然の出来事に、ドキドキが止まらない。
このドキドキがどんな意味のドキドキなのかも分からないうちに、みんながパラパラと出社してきて、あいまいなまま、1日が始まった。
ランチタイムもとっくに過ぎて、ちょっと休憩しようかなと思ったところで、
《A、なんか、変じゃない?》
ミーケルにそう言われて、ハッとする。
ああ、いけない。
ちょっと気を抜くと、今朝のことを思い出してしまう。
《暑さで疲れてるのかも・・・(苦笑)》
《大丈夫?》
《うん、ありがと。》
《ねえ、A。今夜・・・》
耳元で誘われると、ダメだと思いつつも胸がドキンと高鳴る私に、呆れてしまう。
《今夜は・・・》
だけど、なんとなく気分が乗らなくて返事を濁していたところに、
「戻りましたー。」
って、松本くんが帰ってきた。
営業以外のメンバーは、ほとんどがこのプロジェクトに専従してるけど、松本くんはそうじゃない。
彼はもちろん他にもクライアントを持っていて、同時進行でこのプロジェクトに携わっているわけで、
言ってしまえば、別に会議室に戻ってくる必要はないのに、
さらには、同じフロアの営業部に、自分のちゃんとしたデスクがあるにもかかわらず、いつもここに戻ってくる。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時