検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:515,710 hit

29. ふざけんなよ ページ29

.



案の定、いぶかしげな顔で私を見る松本くんに、余計なことを口走ってしまったということを悟る。


「・・・え?月野さん?」


「ん??」


何かヘンなこと、言いました?って顔でその場を切り抜けようとしたけれど、


「・・・翔さんちに泊まったりしてるんですか?」


「え・・・えっと・・・」


何かを考えるような顔をした松本くんは、


「ふうん。」


って、低い声でヒトコトだけつぶやいた。


その言葉に、ちょっと場の空気が重くなったのを感じた私が、慌てて


「まあ!あれだよ!私が松本くんをかわいいな、って思うのと同じで、櫻井さんにとっては、私はかわいい妹じゃない?だから、泊まるって言っても、変な意味なんてなくってね?」


「・・・」


松本くんは何も言わずに私を見てるけど、


その目ヂカラに勝手にプレッシャーを感じて、どうでもいいことをペラペラと口にしてしまう。


「外飲みより家飲みのほうが楽だね、とか。そんな感じ?」


「・・・」


「で、私がそこで寝ちゃう、っていう(苦笑)」


「・・・」


「ああ!!私、何言ってんだろ(苦笑)とにかく!」


松本くんの目をジッと見て、軽く息を吐いた私は、


「私と松本くんみたいなもんだって!先輩と後輩。それだけ(笑)オトコとオンナじゃないんだよ(笑)」


そう言った。


すると、ピクリと片眉を上げた松本くんは、急に鋭い視線になって、こう言った。


「ふざけんなよ?」


その、今までとは打って変わって荒くなった口調に、ちょっとびっくりする。


「・・・え?」


「単なる後輩だ、とか・・・かわいいだけ、とか・・・」


「なんの・・・こと?」


私と櫻井さんのこと?


それとも・・・


「俺、もうすぐ31だよ?いつまでもガキじゃねーっつの。」


そう言われて、松本くんのことだと気付く。


「ごめ・・・ん。」


「年下?後輩?あり得ない?」


その言葉に、いつかのことを思い出す。


「あ、あれは・・・」


ちょっとだけ言い訳しようかな、って思ってたのに、


強い目ヂカラのままの松本くんの顔がゆっくりと近付いてきて、


その視線に絡め取られるように、目を離せないでいると、


その目はゆっくりと伏せられて、彼の長い睫毛がフルッと揺れたのを認識したと同時に、


私の唇に、松本くんの唇が、重なった。



.

30. 今度は→←28. 初めての後輩



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (598 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
838人がお気に入り
設定タグ:松本潤 , , ゆん*   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。