29. ふざけんなよ ページ29
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案の定、いぶかしげな顔で私を見る松本くんに、余計なことを口走ってしまったということを悟る。
「・・・え?月野さん?」
「ん??」
何かヘンなこと、言いました?って顔でその場を切り抜けようとしたけれど、
「・・・翔さんちに泊まったりしてるんですか?」
「え・・・えっと・・・」
何かを考えるような顔をした松本くんは、
「ふうん。」
って、低い声でヒトコトだけつぶやいた。
その言葉に、ちょっと場の空気が重くなったのを感じた私が、慌てて
「まあ!あれだよ!私が松本くんをかわいいな、って思うのと同じで、櫻井さんにとっては、私はかわいい妹じゃない?だから、泊まるって言っても、変な意味なんてなくってね?」
「・・・」
松本くんは何も言わずに私を見てるけど、
その目ヂカラに勝手にプレッシャーを感じて、どうでもいいことをペラペラと口にしてしまう。
「外飲みより家飲みのほうが楽だね、とか。そんな感じ?」
「・・・」
「で、私がそこで寝ちゃう、っていう(苦笑)」
「・・・」
「ああ!!私、何言ってんだろ(苦笑)とにかく!」
松本くんの目をジッと見て、軽く息を吐いた私は、
「私と松本くんみたいなもんだって!先輩と後輩。それだけ(笑)オトコとオンナじゃないんだよ(笑)」
そう言った。
すると、ピクリと片眉を上げた松本くんは、急に鋭い視線になって、こう言った。
「ふざけんなよ?」
その、今までとは打って変わって荒くなった口調に、ちょっとびっくりする。
「・・・え?」
「単なる後輩だ、とか・・・かわいいだけ、とか・・・」
「なんの・・・こと?」
私と櫻井さんのこと?
それとも・・・
「俺、もうすぐ31だよ?いつまでもガキじゃねーっつの。」
そう言われて、松本くんのことだと気付く。
「ごめ・・・ん。」
「年下?後輩?あり得ない?」
その言葉に、いつかのことを思い出す。
「あ、あれは・・・」
ちょっとだけ言い訳しようかな、って思ってたのに、
強い目ヂカラのままの松本くんの顔がゆっくりと近付いてきて、
その視線に絡め取られるように、目を離せないでいると、
その目はゆっくりと伏せられて、彼の長い睫毛がフルッと揺れたのを認識したと同時に、
私の唇に、松本くんの唇が、重なった。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時