11. うわさ ページ11
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なんでかな?
人間って、心の準備が出来てないことには、いたって反応しづらいもので。
会社に着いたら、かつて所属していた営業部に顔を出して、部長に昨日出来なかった、帰国の挨拶をしつつ、その帰りに、松本くんにお詫びをしよう。
そう思っていたのに・・・
まだ若干時差ぼけで、朝早く目が覚めてしまった私は、早めに出勤することにした。
エントランスを入ったところで、同じ部署の子から声を掛けられた。
「月野さん!おはようございます。聞きましたよ!」
「おはよー。って、え?なにを?」
「それならそうと言って下さいよ!(笑)」
「だから、なにを?(笑)」
まったく噛み合わない会話に、どう反応したらいいかも分からずにいると、
「松本さんですよ!なんだー、付き合ってるなら、そう言ってくれたらよかったのに!」
「・・・は?」
「昨日、迎えに来てくれてたんでしょう?カラオケで、営業部の子たちに会ったんですけど、その子たちが、見たって♪」
・・・マズイ。
一緒にいるのを見られてたってことだな・・・
そう思ったら、
カンベンしてよ
って言う言葉を思い出した。
「え!ちょっと待って(笑)付き合ってないよ(笑)」
「またまたー(笑)そういう雰囲気だった、って、言ってましたよ?もー、いつから付き合ってたんですかー?」
「いやいやいや。本当に!」
「どおりで誰にも落ちない訳ですよ。」
そう言いながら受付の横を通り過ぎた瞬間、受付の女の子たちがチラリとこちらを見た気がした。
「いや!本当に!そもそも!」
そのまま、私たち以外には誰もいないエレベーターホールで、エレベーターを待ちながら、一生懸命否定する。
これ以上、松本くんに迷惑は掛けられない。
心からそう思っているのに、変な言葉しか出てこない。
「だって、年下だよ?後輩だよ?あり得ないよ!」
ああ、こんなことを言うつもりなんかないのに!
「あれ?月野さん、年下はダメなんですか?」
「ダメって言うか・・・考えたこともないし。」
「へー。年下とはいえ、松本さんなら全然アリ、っていうか、願ったり叶ったりだと思うんだけどなー。」
そう言って、彼女があ、っていう顔で私を見たのは、
「とにかく!年下は、絶対にない!それがたとえ松本くんでも!」
私が、あまりにも力強く言い放ったから、てっきり彼女の顔が引きつったのは、そのせいだと思っていた。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時