2. 時差ぼけ ページ2
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企画部のフロアに足を踏み入れると、私の姿を見つけた部長が、奥の席から手招きをする。
「おお!きた、きた!」
その声に、近くの席の人たちが反応して、各々声を掛けてくれる。
そんなみんなと一通り挨拶を交わし終えた私は、部長と会議室に入り、2時間にも及ぶ報告兼打ち合わせをした。
「あー、眠い・・・」
時差ぼけなんてめったにならないのに、どうして今回に限ってこんなに眠いの?
打ち合わせ後、眠気覚ましのコーヒーを買うために、近くのカフェに向かって歩いていると、前からまたもやあのふたりが歩いてきた。
「なんだよ(笑)よく会うな(笑)」
「ホントに(笑)」
そう言って、財布だけ持った私に気付いたのか、櫻井さんが言った。
「なに?コーヒー?」
「うん。もう、時差ぼけがひどくって、眠いんです・・・」
「フッ。なあ、俺らもコーヒー飲んでかねえ?」
櫻井さんがそう言って、隣にいる松本くんに声を掛けると、松本くんはちょっと困った顔をした。
「あ・・・私、買いに来ただけなので、飲んでく時間は・・・」
そう言って櫻井さんを見ると、
「えー?」
って言いながらもカフェに向かって引き返そうとする。
そんな櫻井さんをチラリと見たあとで、松本くんに視線を移した私が、
「松本くん、困ってますよ(笑)大して知らない人とコーヒー飲んでも、気ぃ使うよねー?(笑)」
って笑うと、
「いえ!そんなことは!」
って否定してくれたけど、それがかえって申し訳なくて、
もっと言えば、この時差ぼけの頭で、誰かとコーヒー飲むなんて・・・それがたとえ、気の知れた先輩でも、今はちょっとキツい。
そう思った私は、
「あー、すみません!ミーティングの時間!」
そう言っておもむろに腕時計に目をやると、ふたりに声を掛けて、クルリと振り返り、足早に会社に戻った。
はあー・・・
櫻井さんって、あんなに強引だったっけ?
私の記憶の中の櫻井さんは、人一倍気遣いやさんで、なんでもそつなくこなすけど、プライベートではたまーにちょっとだけ残念な・・・
だけど、仕事は抜群にできる頼りになる先輩。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時