1. 東京本社 ページ1
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久しぶりの東京本社。
楽しみなような、恥ずかしいような。
そんな気持ちを抱えながら、昼だと言うのに軽く時差ぼけの頭をフル回転させながら、本社ビルのエントランスをくぐる。
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受付でニコニコしているカワイコちゃんたちの中に、私が知る顔はもういない。
「お疲れさまです。」
仮の入館証すらない私は、受付で社員証を提示する。
「今日から本社に戻りました、企画部の・・・」
そこまで言ったところで、突然横から声を掛けられた。
「えっ!?月野?」
その懐かしい声に、あっと言う間に、古い記憶が蘇る。
それと同時に、受付の女の子たちが色めき立ったのを感じながら、声がしたほうに顔を向けると、
「なんだよ(笑)いつ戻ってきたんだよ?連絡くらい、よこしてもよくねえ?」
苦笑いして私をみてる、先輩と目が合った。
「櫻井さん・・・」
「おまえが戻ってきてるなんて、誰からもそんな話聞いてねーぞ?」
「すみません。急に決まったので・・・」
相変わらず甘いマスクの先輩は、フハッて笑いながら、目をキラキラさせている受付の子たちには目もくれずにこう言った。
「おまえ、今夜ヒマ?時間あるなら飲みに行こうぜ?」
そう言って、私の答えなんて待たずに、隣にいる男の子に声を掛けた。
「おまえも来る?」
その言葉に、さっきから私のことをポカンとした顔でみていた彼がハッとした。
「・・・え?」
そんな彼に、声を掛ける。
「松本くん、久しぶり!なんだか、すっかり大人になっちゃって!」
「月野さん、ご無沙汰してますっ!」
なんだか慌てている彼が、かわいらしい。
そんな松本くんに、
「で?行くの?行かないの?(笑)」
痺れを切らしたように催促した櫻井さんは、
「おまえ、月野と一度飲んでみたいって言ってたじゃん。」
そう言って笑う。
「あっ!いやっ!ちがっ!」
なぜか、しどろもどろになる松本くんが面白くって、もう少し見ていたかったけど、約束の時間が迫っていることを思い出して、
「ごめんなさい。行かなきゃ!」
ふたりにそう言って、受付で入館証を借りると、
「今日は企画部のメンバーで飲みに行くんで、また今度!あ、行ってらっしゃい!」
これから外出らしきふたりに手を振って、エレベーターホールへと向かった。
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ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» そう!あっちこっちにふらふらり。そんな優柔不断な子が描きやすいんです(笑)Jの攻めにご期待くださーい! (2014年9月3日 23時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - ゆん*さん» ほんとだぁ~恋愛マスターみたい(笑)ゆんさんの描く主人公ちゃんって、結構フラフラしてますよね?(笑)キライじゃないです~(笑)潤くんの攻めに期待大です~o(^o^)o (2014年8月31日 19時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ぴーまんさん» 攻めて、引いて、どう出てくるのか・・・どうぞお楽しみに☆ (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ばにらさん» 満喫していただいてるようで嬉しいです♪第2章もどうぞよろしくでーっす! (2014年8月31日 14時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーまん(プロフ) - 潤くんハピバ~o(^o^)o豹変潤くん攻めますね~♪ (2014年8月30日 20時) (レス) id: e9e2051c7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆん* | 作成日時:2014年8月27日 23時