-9- ページ9
.
月曜、彼女が俺を見てあからさまにホッとした顔をしたのを見て、心が痛んだ。
いい歳して、自己管理ができないオトコだなんて思われてたらどうしよう。
そんなことを考えていたから、
「もう大丈夫ですか？」
って、定例の後、ふたりになった時に言われて、
「昨日、会えなくてごめん。」
そう言った俺に、
「ふふ。寂しかったですけど、元気になってくれてよかった。」
って言われた時は、ああ、まだ嫌われてないんだな、って、心底ホッとした。
その日は特に大きな問題もなく、無事社内システムのリリース作業を終えた彼女は、残業組に声をかけて、さっさと帰宅していった。
本当なら、晩メシでも･･･って誘いたいところだったけど、明日からくる新メンバー関係の準備でバタバタしてて、あっという間に晩メシの時間なんて過ぎていったし、
「あー、期末だっていうのに、櫻井さんとコンビニ弁当だなんて･･･」
って文句を言ってる高遠に苦笑いをしていると、
「まあまあ。翔くんはさあ、家に帰ってもひとりなわけだからさ･･･たまには付き合ってあげてよ(苦笑)」
意味ありげにニヤニヤしながらそう言った松潤に、
「そっか。そうですよね。じゃ、たまには仕方ないか(笑)」
そんな返事を返す高遠も憎たらしい(苦笑)
結局俺たちが会社を後にしたのは、22時を過ぎた頃で、
「翔くん、じゃあねー。明日よろしくね？」
そう言ってエントランスに入っていこうとしていた松潤が、
「あ･･･そういえば･･･」
そう言って振り返ったから、
「まだ言ってねえよ。」
何を聞かれるのかも分かっていた俺がそう答えると、
「早く言わないと、ますます言いづらくなるよ？(苦笑)」
って、気の毒そうな顔をしてそう言った松潤は、
「昨日なんて、“お気に入りの鍋、持ってきていい？”って聞かれたかんね(笑)」
そう言うだけ言ってクルリと前を向くと、片手を上げてひらひらさせながら、エントランスに入っていった。
･･･なんだよ。
つか･･･どうすりゃいいんだよ。
ハァ･･･とため息をついて自分のマンションへと歩きだした俺は、
明日、社内システムの打ち合わせもあるし･･･そこでちょっと話ができたらいいな。
そうだ。
同棲云々より、まず今週末の見合いをどうにかしねえと･･･
そんな大事なことを思い出して、マンションへと帰った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん*(プロフ) - 若菜さん» 私も見習わねば（笑）ライブ、すごい倍率なんですってね？その分、こちらの翔くんで心を潤していただけたら嬉しいです！！こちらこそ、いつもどうもありがとうございます☆ (2014年12月7日 18時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しずくさん» 決戦の時も、終了〜。あとは甘翔一直線でーっす♪ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - vamkameさん» 女性ホルモン、翔くんの心拍数とは反比例して上がり続けますように☆ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - メリーさん» ソファに並んで映画（笑）ぜひとも間に挟まれたいです♪ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しょうこさん» キュン、ありがとうございまっす！無事オシオキも終わりです。甘翔をお楽しみくださいねー。 (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年10月31日 23時
