-21- ページ21
.
なんか、普通じゃねえ？
怒ってる風には見えなくて、ちょっと安心したこともあって、
「じゃあ･･･そろそろ帰らせてもらおうかな･･･」
そう言って、のろのろと帰り支度を始めると、ちょうどいいタイミングで、
「翔くん、支度できた？」
って、松潤から声をかけられた。
ガキじゃねーんだから、ひとりで帰れるっつーの！
とは思ったものの、大丈夫じゃねえからあんなことになったわけで、
結局おとなしく送ってもらうことにして、会社を後にした。
マンションまでの道のりで、松潤に言う。
「なあ、なんか、A、普通じゃねえ？」
「･･･」
「俺が思ってる以上に、心広いんじゃね？(笑)」
「･･･いいね、翔くんはお気楽で。」
「なんだよ(苦笑)どういう意味だよ！」
「いいよ。どうせわかんないだろうし。」
訳のわからないことを言う松潤はほっておいて、俺はもうだいぶ気持ちが軽くなっていた。
なんて言い訳しよう。
なんて謝ろう。
そんなことばかり考えてたけど、意外と彼女は普通そうで。
ま、熱のせいだからな。
俺が進んで連れ込んだわけじゃねーし･･･あんだけぼーっとしてたら、間違えることだって、あるわな。
でも･･･よかったぁ･･･Aが寛容で･･･
まだガンガンする頭でそんなことを考えながら部屋に入ると、松潤に促されて体温計を咥える。
「39度1分･･････バッカじゃないの？そんな熱で会社来るなんて。」
グサッと突き刺すような言葉を俺に投げつけた松潤は、
「ほらほら脱いで！」
って言いながら俺の洋服をはぎ取ると、
「自分で拭けよ(笑)」
って蒸しタオルを俺に渡して、はぎ取った洋服を持って寝室を出て行った。
それから、身体を拭き終ってスウェットに着替え終わったタイミングで寝室に戻って来た松潤は、
「これ、ちゃんと挟んどけよ？」
って言いながら、腋の下に保冷剤の束を挟んでくる。
「冷てぇ！！」
「うるさい！」
「んだよ！母親かよ！」
文句を言いながらも、身体が動かないから、されるがままになっていると、俺に布団をかけた松潤は、
「ちゃんと寝ろよ？熱下がらないと、Aちゃんが心配してかわいそうだよ。」
急に真面目な顔でそう言って、俺のおでこに冷却シートをペタリと張った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん*(プロフ) - 若菜さん» 私も見習わねば（笑）ライブ、すごい倍率なんですってね？その分、こちらの翔くんで心を潤していただけたら嬉しいです！！こちらこそ、いつもどうもありがとうございます☆ (2014年12月7日 18時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しずくさん» 決戦の時も、終了〜。あとは甘翔一直線でーっす♪ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - vamkameさん» 女性ホルモン、翔くんの心拍数とは反比例して上がり続けますように☆ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - メリーさん» ソファに並んで映画（笑）ぜひとも間に挟まれたいです♪ (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しょうこさん» キュン、ありがとうございまっす！無事オシオキも終わりです。甘翔をお楽しみくださいねー。 (2014年12月7日 18時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年10月31日 23時
