／４「ずぶ濡れの子供」 ページ6
十束side
十「…え……」
ボソリと呟いた声に、アンナから男の子に視線を戻すと必死に辛いのを耐えている顔をしていた。今にも泣きそうな…罪悪感に耐えるような……
力が緩んだ手をスルリと細く、頼りない手がすり抜ける
櫛「っカタカナ！」
アンナの声も虚しく、扉の閉まる音と、カランとベルが悲しく鳴った
櫛「追い、かけなきゃ…」
十「アンナ！？ストップ！何があったの…？」
櫛「カタカナの中、ぐるぐるしてた。私たちの…心配して、悩んで、苦しそうだった……！少ししか見えなかったけど」
草「俺達の心配やて？」
櫛「うん。詳しい事は分からない…けど……何か、大きな…事がカタカナにあって、それが……怖くて怯えてたっ…だから、一人にしたくない」
アンナはもしかしたら、その…Aとリンクして泣いていたのかもしれない。だとしたら、Aは……
十「お、俺！探して来る！」
八「え、十束さん！？」
十「アンナよろしく！って、わっ…雨！？草薙さん、傘借りて行くね！」
ー
バタバタと出て行った十束多々良を吠舞羅のメンバーは呆気に取られて見ていた
草「しゃーない奴やな、ほんま」
八「なんであんなに必死なんすか？十束さんは。あんな奴ほっとけばいいだろ」
草「十束はそーゆー奴や。知っとるやろ」
二人の会話を聞きながら、アンナは床に転がったビー玉を拾い上げて「カタカナ」と呟いた
ー
十「あー、もうっ…何処に行ったんだろう。そう遠くには行ってないと思うし……薄暗い路地裏に逃げ込むかなぁ…」
パシャパシャと水しぶきをあげながら人通りの少なくなった道を走る。あの子、雨宿りしてるのかな。そのままフラフラとずぶ濡れのまま逃げてないといいけど…
十「っ！あ、あー……」
逃げてはいなかった。が、雨宿りはしてないあの姿を見つけた
小さな公園のベンチに体育座りになり蹲っていた。ぽつん、とそこだけ世界から切り離されたような感覚がした。それだけ、不思議に思ったのだ。瞬きすれば、消えてしまいそうな…
十「風邪ひくよ、A」
そう言うと、ビクリと肩を跳ねさせてから顔を上げた。濡れた髪が、頬に張り付いて幼く見える
あ「……放って…置いて下さい」
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雪 - これすっごく面白いです！続きが気になりますです！今は更新停止？してますが、楽しみにしてますので更新頑張ってくださいです！(*´∀｀*) (2018年2月16日 17時) (
レス) id: aec3587ece (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 凄く面白いです！更新頑張って下さい！ (2017年8月24日 21時) (レス) id: 771b771cba (このIDを非表示/違反報告)
遊 - とても面白くて続きが気になります〜！！！応援してます！！ (2017年3月21日 3時) (レス) id: 48d85b23ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠りん
| 作成日時：2017年3月5日 17時
