お前らには適わない ページ23
次の日からどうやって顔を合わせればいいんだ。そんな事をずっと考えていたせいでもう朝になってしまった。
帰ったらちゃんと寝よう。
きっと宵一と真昼は寝ているはずだから、俺は気付かれないように家に帰ろうと決めた。
足音を立てない様にそっと玄関へ向かうが、案の定もう気付かれてしまった。
最悪だ、なんで2人とももう起きているんだ。
「･･･帰んの？」
宵一に近付かれ、思わず距離を取ってしまう。
少し悲しそうな顔をされ罪悪感が募った。
「帰るけど、何？」
「昨日は･･･つか、今日か･･･ごめん。」
泣きそうな顔で宵一は俺に謝ってきた。
そんな顔されると弱いんだ。
真昼も申し訳なさそうな顔をしてごめんと小さく呟いていた。
そんな2人にびっくりする。
「いや、もういいって。」
コイツらに謝られると調子が狂う。
別にもう気にしてはいない、夜中の事だってびっくりして泣いただけで嫌だとは不思議と思わなかった。
恋愛感情はないって言うのも咄嗟に出てきた言葉だし･･･ん？今、俺は何を心で呟いた？
ハッとして顔が熱くなるのが分かる。
そんな俺を見て、2人はオロオロし始めた。
「どうした、A･･･？顔赤くねぇか。」
「熱か？」
あぁ、やっと気付いたんだ。
本当今頃だよな、遅すぎるよな。
こっちこそごめん、あんな酷い事を好意を持ってくれてる人に言うべきじゃなかった。
「ごめん、ごめん･･･俺、やっぱり･･･」
泣きそうになるのを堪えながら、必死に言葉を紡ごうとする。
だが、上手く出てきてはくれない。
俺の口仕事しろ。
「･･･っ、俺も、お前らの事、す、･･･き。」
「夜中に言ったのは、びっくりしたから咄嗟に出てきた言葉なんだ。･･･全部嘘、俺、多分気付いてなかった。」
「ずっと前から、宵一と真昼の事、好きだったんだよ。」
そう言い終わると同時に俺は2人に抱きしめられた、ありがとうなんてかっこいい声で囁きながら。
「そっか、嬉しい。なぁ真昼。」
「だな、じゃあさA。」
真昼の方を向くと、やけにニヤニヤと笑っている。何かを企んでいる顔だ。離れようとするが逃げられない。
「恋人同士になったんだし、やる事は1つだよな？」
「な、何言ってんだよ･･･」
「可愛いAの顔、俺達だけのモノにさせてよ。」
やけに色気のある顔と声でそう言われると、縦に首をふるしかない。でも宵一と真昼ならそういう事をされてもいいと思うんだ。
本当、適わない。
『傍にはいつも』 END
終わり
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優桃(プロフ) - ゆーなさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張ろうって思えます(*^^*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年1月21日 21時) (
レス) id: a4872d24e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 面白かったです！お気に入り登録しときました！これからも頑張ってください！ (2018年1月21日 21時) (レス) id: 9e3b82e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2018年1月21日 21時
