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この高校には旧校舎と新校舎の2つがあり、今では旧校舎は全く使われていない。
早く取り壊しの工事をしてしまえばいいのにと生徒達から意見が出ているが、学校の少ない予算から取り壊しの工事の手配はまだ出来ないようだった。
俺は優誠に連れられ、旧校舎の図書室に入った。少しだけ埃っぽく、俺と優誠は軽く咳き込んでしまう。
優誠が近くにあったソファに腰をかけたので、自分もその横に座った。
「で、話ってなんなんだよ？」
「お前さぁ、宏誠の事好きだよな？」
心臓がどくりと跳ね上がる。
暑くもないのに汗がじんわりと出てきて、血の気が引いていくのが自分でも分かった。
まさか、バレていた？
いつから？どんな時に気付いた？
まさかコイツからこんな言葉が出てくるなんて誰が予想していただろうか。
少なくとも、俺には想定外だ。
そして優誠も優誠だ、デリカシーのデの字もないい言いように少し腹が立つ。
「な、何言ってんだよ。友達としてか？それなら好きだけど。」
俺は平気で嘘をつく。いや、今はつかなければならない時だ。嫌われない為にもこの状況をなんとか打破しなければならない。
これからの関係にヒビが入ってしまうのはなんとも良くない事だ。
「俺、見ちゃったんだよ。この間、お前が家に遊びに来た時さ。･･･宏誠と雅樹がコンビニにお菓子を買いに行った時かな。俺はトイレに行ってたけど、戻ってきた時にドアが少しだけ開いてて。」
宏誠の椅子に掛けてあったカーディガンをぎゅっと愛おしそうに抱きしめてんの、俺見ちゃったんだよね。「宏誠、好き。」って言ってんのもちゃんとこの耳で聞いた。
彼は俯きながら、そう俺に言った。
身に覚えがありすぎてゾッとする。
まさかドアが少しだけ開いてただなんて、誰が思うだろうか。閉めて行ったのをちゃんと確認した筈だったのに。
「嫌ったか？気持ち悪いって、思っただろ。」
話したいことはそれだけ？と俺は言って、立ち上がる。もうここには居られない。とても優誠と2人で居るのは気まずかった。
すると、優誠は俺の腕をパシッと掴む。
なんだこいつ、意外と力が強いじゃないか。
全然振り払えない。
「待って、違う。俺が言いたいのはそれだけじゃない。･･･俺もさ、お前の双子の兄ちゃんが好きなんだよ。」
びっくりして俺は目を見開く。
今日は本当に思ってもいなかった事がよく起こる。優誠も、俺と同じような状況になっていたなんて、想像もしていなかった。
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優桃(プロフ) - ゆーなさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張ろうって思えます(*^^*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年1月21日 21時) (
レス) id: a4872d24e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 面白かったです！お気に入り登録しときました！これからも頑張ってください！ (2018年1月21日 21時) (レス) id: 9e3b82e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2018年1月21日 21時
