君との出会い ページ1
「おはようございます、Aさん。今日も早いんですね。」
ひょっこり自分の家と隣の家にある白い柵から顔を出しにっこり微笑んだ彼に、こちらからも微笑み返す。彼は隣の家に住んでいる15歳の少年だ。名前は
「あぁ、そういう君も早いじゃないか。今日も花の世話か？」
「はい、昨日は雨が酷くてお家から出られなくて･･･へへ。」
そう言ってはにかむ彼。
風に吹かれて、彼の服が持ち上がる。
そこからは痛々しい痣が覗いていて、見ているこちらを悲しい気持ちにさせた。
彼は親から虐待を受けていた。
引っ越してきたので挨拶をと思い隣の家に行った時の事だ。
「初めまして、今日から引っ越してきました東堂Aと言います。これからよろしくお願いします。」
「あぁ、初めまして。安西と言います、こちらこそよろしくお願いします。」
そう言って相手は私に握手を求めた。
こちらも快く手を握る。
いい人そうで安心したのも束の間、彼の後ろでこちらの様子を伺っている少年が目に入った。
「安西さんは子持ちなんですね、男の子の。」
「･･･え？･･･あぁ、忘れていました。弘樹、ちょっとこっちに来い。」
そう言った彼の表情を私は見逃さなかった。
明らかにバツの悪そうな顔をしたのだ。
それから、自分の目の前までとことことやって来た少年を見て全てを察した。
「･･･安西弘樹です。･･･よ、よろしくお願いします。」
黒い半袖Tシャツから覗く白く細い腕には数々の痣、茶色のカーゴパンツから覗くまた細い足からも痣が見えていた。
この子は虐待を受けている。
親のバツの悪そうな顔からして、きっと息子の存在を知られたくなかったのだろう。
「私は東堂A。よろしく、弘樹くん。」
そう言って私は彼に手を差し出す。
それから少しして、はにかみながらも手を握ってくれた。
「あ、そうだ。･･･安西さん、今から弘樹くんを借りてもいいですか？」
「え？それはどうして、」
「まだこの辺に詳しくないもので･･･弘樹くんに案内してもらいたいくて。」
まぁこれは彼を連れ出す口実に過ぎないのだが。･･･あんまり人の事情にあれこれ首を突っ込みたくないが、なんとなくほっとけなかった。
「いいかな、弘樹くん。」
彼は静かにこくりと頷き、父親に向かって行ってきますと言った。
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優桃(プロフ) - ゆーなさん» 初めまして、コメントありがとうございます。そう言って頂けると頑張ろうって思えます(*^^*)これからも頑張りますのでよろしくお願いします。 (2018年1月21日 21時) (
レス) id: a4872d24e8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな(プロフ) - 面白かったです！お気に入り登録しときました！これからも頑張ってください！ (2018年1月21日 21時) (レス) id: 9e3b82e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2018年1月21日 21時
