43話 ページ45
夜空side
一目散に走って着いた場所は先生のアパート。
無意識のうちにこっちに向かっていた。
俺はドンドンと先生の家のドアを叩く。
すると少しして、ドアが開いた。
「はいはい、どちら様で・・・って、あ、相浦?何?忘れ物・・・」
先生が言い終わる前に俺は先生に抱きついた。
抑えが効かなかったんだ。
「ん、どうした・・・?取り敢えず中入って。」
先生は嫌がる素振りも見せずに、いつもの声色でまた家に入れてくれた。
俺は無言で俯いて床に座り込む。
そんな俺の前に先生は座った。
「なんかあった?」
先生は俺の顔を覗き込んで聞いた。
上手く答えられなくて、黙っていた。
「ん〜、まぁ聞かれてすぐ答えたくないよね。・・・取り敢えず今日は泊まっていって。このまま家に帰りたくないでしょ?・・・って教師がこんな事言っちゃいけないんだけどね。」
先生は困ったように笑う。
そんな先生の顔を見ていると、また目頭が熱くなった。こういう時に、好きだなって思ってる人の笑顔を見ると、もう駄目だった。
気付くと俺は涙を零していたみたいだ。
制服のズボンにポタポタと染みを作っていく。
するといきなり先生は俺を抱き寄せた。
「・・・不安な時とか、悲しい時は、人の鼓動を聞くといいんだって。僕のお母さんが僕の小さい頃に言ってたんだけどね。」
・・・一体なんなんだこの先生は。
俺は先生のシャツをギュッと掴んだ。
「・・・ちょっとは落ち着くといいんだけど、男同士じゃ駄目かなぁ。」
俺は先生から顔を離し、先生の顔を見つめた。
「・・・え、な、何、相浦・・・あんまり見られると、僕恥ずかしいんだけど。」
そう言って顔を逸らそうとしたのを阻止して触れるだけのキスをした。
唇を離すと、先生の顔は案の定真っ赤でゆでダコのようだった。
「あ、あいうら・・・っ・・・んっ・・・」
そんな先生が可愛く見えてもう1度キスをする。
「んっ、キスをすれば・・・、不安な気持ちとか悲しい気持ちとか和らぐって、・・・ん、言ってたぞ。」
先生の唇は柔らかくて、気持ちよかった。
凄く熱い、キスの温度。
キスだけでもう放心状態の先生の口をこじ開けて舌を入れた。
チュッと、静かな室内にリップ音が響く。
「んっ、ふっ、んぅ・・・・・・」
「息、しろよ・・・っ」
悲しさを、寂しさを、先生にぶつけるように。
我ながら本当に最低だ。
それから俺達は長い間唇を合わせていた。
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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます!更新頑張ってください! (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります! (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね! (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優桃 | 作成日時:2017年8月21日 14時