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35話 ページ37

夜空side

放課後、先生は俺を屋上に呼び出した。
屋上へと続く階段を上り、ドアに手をかけると先生はにこっと笑ってこっちを振り向いた。

そういう仕草にもドキッとした。
おかしいよな、最近。

「あ、来た〜」

「なんだよこんな所まで呼び出して・・・」

「ん〜だってその・・・一応教師と生徒だから、廊下とかで・・・その、ね、こんな話しちゃうと・・・」

先生はそう言ってもじもじし始める。
あ、そういう事か。
確かに教師が生徒を家に呼ぶって言うのは普通だとあんまり許されないことなのかもしれない。

「今日家来るんでしょ?僕、今日は6時に上がれるから先に行ってていいよ。今から2時間待つのも嫌でしょ?」

先生はそう言って笑う。
俺としては別に待ってたっていいんだけど、先生の家って学校から20分ぐらいの所にあるし一緒に帰ったりしたらマズいかもな。

「分かった、じゃあ先に行ってる。」

「ありがとう。で、今日は泊まってくの?」

「は?別にどっちでもいいけど、でもやっぱり今日は泊まらないで帰るわ。」

俺がそう言うと先生は一瞬キョトンとした顔をしたが、何故かいきなりニヤニヤ笑い始めた。

「ちょ、何笑ってんだよテメェ・・・」

「ん〜?もしかして今日のテスト、親御さんに見せるためだったりする?」

「・・・っ!?は、はぁ!?み、見せるわけねぇだろ・・・見放されてんのにテスト見せたって意味ねぇじゃん・・・。」

そう呟くと自分でも何故か悲しくなってきた。
いや、なに悲しくなってんだ。
しょうがねぇじゃん、俺がこんなんだから駄目なんだろ。

「・・・君が頑張った事、僕が1番知ってるんだから自信持っていいと思うんだけどな。」

「先生・・・」

「ね、あの点数は相浦が頑張ったから取れた点数なんだよ。親御さんもきっと褒めてくれるんじゃないかな・・・って、まぁ相浦がしたいようにすればいいから僕が口出しすることじゃないね。」

そう言って先生は笑った。
そんな先生の言葉を聞いて、少しだけ、ほんの少しだけ親と向き合ってみようかなとか思ってしまった。

「気が向いたら、な。」

「うん。じゃあ僕写真部の活動があるからそろそろ行かなきゃ・・・って今日相浦鍵持ってる?」

実は毎日持ち歩いていた。
なんて、口が裂けても言えねぇよな。
そんなん知られたら俺は爆発して死ぬ。

「は!?た、たまたま今日は持ってたんだよ勘違いすんなよクソ!」

俺はそう言って屋上から出て行った。
別に何も言われてないんだけど。

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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
- とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます!更新頑張ってください! (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります! (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね! (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優桃 | 作成日時:2017年8月21日 14時

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