20話 ページ22
史人side
今は1時間目の10分休み。
結局相浦は1時間目の国語には顔を出さなかった。やっぱり遅刻かな･･･
そんな事を考えながら、僕はジュースを買おうと自販機に向かう。
すると誰かに腕を捕まれ体育館裏に連れて行かれた。
「うわっ、な、誰！？」
「しーっ！声がでけぇよ、クソ！」
俺を体育館裏に連れてきたのは相浦だった。
声がでかいと怒鳴られ、僕は反射的に口を両手で塞ぐ。
「･･･ごめん、本当は今日遅刻しないで学校行こうと思ったんだけど。寝ちまった･･･」
そう言いながら、相浦は僕に合鍵を渡した。
「そう、何かあったんじゃないかって実は心配してたんだ。ただの遅刻なら･･･本当はダメだけど安心したよ。」
僕は相浦に笑いかけ、頭を撫でる。
払いのけられるかなと思ったが案外素直に頭を撫でられていた。
「ん、別に先生に心配なんかされても嬉しくねぇし。」
「ふ〜ん･･･でもその表情。顔には素直に嬉しいって書いてあるように僕には見えるけど？」
少しからかうように、ニヤけてみると相浦はたちまち顔を真っ赤にして僕の背中を勢いよく叩いてきた。
「テメェ、1回ボコボコにしていいか･･･」
「ごめんごめん、ちょっとからかっただけだから許して。」
「チッ、もう行く。今日は授業出る気になんねーからサボる。」
担任にどうどうとサボります宣言をする相浦。
なんだか、もう少し話したくて僕は行こうとする相浦の腕を掴んだ。
「まっ、て･･･」
「なんだよ、先生。」
別にこれといった用事はなかった。
だけど、なんか離したくなくてそのまま僕は黙り込んでしまった。
「あ、や、･･･えっと･･････」
「せんせ？･･･用がないなら俺もう･･･」
「また、寂しくなったら･･･来ていーよ。僕のいえ。」
必死に出した言葉がそれだった。
自分の生徒に何ナンパみたいなセリフを･･･と言った後に恥ずかしくなったけど、相浦を引き止める口実が欲しかった。
「せ、せんせ･･･」
「あ、別に深い意味はないよ。いつも寂しそうな君が見てられないだけで･･･」
「ん。」
「あいうら･･･？」
僕がそう言い終わると、相浦はこっちに近寄ってきた。
「ひぁっ、ちょ、･･･」
そして僕のズボンのポケットを漁る。
お尻に手が当たって変な声が出てしまった。
「じゃあ、これはもう俺のもん･･･でいいよな？せんせ。」
合鍵をすっと奪われる。
「いいよ、もうそれは君のものだ。」
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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (
レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます！更新頑張ってください！ (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります！ (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね！ (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2017年8月21日 14時
