15話 ページ17
夜空side
「ん、んぅ〜･･･」
物音に起こされ、俺は重いまぶたをゆっくりと開けた。
目線の先にはエプロンを着けて朝ご飯を作っている先生がいた。
「あれ、ごめんね。起こしちゃったか〜」
「ん、別に･･･」
「まだ6時だよ、寝てていいからね。僕は早朝会議があるから先に出るけど、朝ご飯今作ったから後で食べて。」
先生はそう言って、机に美味しそうな料理を2人分並べ始めた。
綺麗な色のスクランブルエッグに、ウインナー、そしてツヤツヤ輝くトマト。
いい匂いがして、お腹が鳴りそうだった。
「トーストはここ、これで焼いてね。」
先生は椅子に座ると、もぐもぐとこんがり焼けたトーストにかぶりついた。
「うん･･･でも、鍵どうすんだよ。先生が先に出たら鍵閉めるやついねぇじゃん。」
「ん？相浦に戸締りしてもらおうと思ったんだけど･･･合鍵渡しとくからお願い出来る？」
トーストを口に咥えたまま、先生は戸棚の引き出しを漁り俺に合鍵を渡した。
なんて不用心な先生なんだ。
他人に戸締り頼むなんて。
「でも、いいのかよ。俺･･･一応他人だし、何するか分からないかもしんねぇのに。」
「相浦はしないって分かってるもん。根はいい奴だって、知ってるからね。」
先生はにっこり微笑む。
それにつられて、俺も笑った。
「俺も、今からご飯食べようかな。」
「･･･うん、顔洗っておいで。」
俺は洗面所に向かって顔を洗う。
冷たい水で、何か引き締まる感じがした。
「おかえり、トースト焼いておいたよ。バターとジャムあるからお好みでどうぞ。」
「ん、じゃあジャムで食べる。」
そう言うと、ニヤニヤしてくる先生。
何がおかしいんだよこの野郎。
「なんだよ、殴るぞ。」
「見た目は怖いのに、甘いいちごジャムで食べるなんて。かわいいなーって思ってさ。」
「は？･･･男に可愛いとか馬鹿じゃねぇの。」
先生から目を逸らす。
昨日の事まで思い出して余計恥ずかしい。
「あれ、思い出した？昨日の事も･･･」
「うっせうっせうっせぇ！マジでテメェ今度絞めてやるからな！」
「あはははっ、それは勘弁してよ〜。ごめんね、少しからかっただけだから。」
ムカついて舌打ちをする。
だけど、朝ご飯が美味しくて、何故か顔が綻んでしまう。
「こんな風に、誰かと朝ご飯食べたの･･･久しぶりだ。」
「相浦･･･」
「なんか、家族みたいでいいよな。こーゆうのって。」
なんだか感傷的になってしまい、また恥ずかくなった。
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優桃(プロフ) - 綾さん» 初めまして、コメントありがとうございます。こちらこそ、読んでくださって嬉しい限りです(*^_^*)これからも更新頑張りますのでよろしくお願いします。 (2017年9月17日 11時) (
レス) id: ac3cfbc466 (このIDを非表示/違反報告)
綾 - とてもおもしろかったです。素敵なお話ありがとうございます！更新頑張ってください！ (2017年9月14日 21時) (レス) id: 9b5a4fb179 (このIDを非表示/違反報告)
優桃(プロフ) - あんみつクラゲさん» わざわざ読んでくださり、コメントまで本当に嬉しいです。ありがとうございます(*^^*)更新頑張ります！ (2017年8月22日 17時) (レス) id: 18d71c1466 (このIDを非表示/違反報告)
あんみつクラゲ(プロフ) - イベントご参加ありがとうございます。とても素敵なお話でした(*‘ω‘ *) 評価の方もさせていただきました。これからも更新頑張ってくださいね！ (2017年8月22日 15時) (レス) id: 0081b71d8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優桃 | 作成日時：2017年8月21日 14時
