かくやすぶっけん〜夕紅葉〜《雪》 (ページ2)

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しらゆきようちえん。雪。ページ2

………ここは？

あたりには、何もない。

「………せー、」

遠くから、幼い子供の声がする。

「せんせー。」

よくよく聞いてみると、その声は、"先生"と言っているみたい…

.

「せんせーってば！」

「…え…？」

ぱっと光が差したと思った途端、視界に飛び込んできたのは、彩(いろ)とりどりで可愛らしい部屋。

ここはどこだろう…？と考える間もなく。

自分の腕を幼い男の子に掴まれているのに気づく。

「せんせーおれのはなしきいてたー？」

「ごめんごめん、聞いてたよ。こうじくんすごいね！」

私は、すんなりとその子供の名前を口にした。

「でしょでしょー！！」

ぱあっと笑顔になり、ぴょんぴょん飛び跳ねる。

それを微笑ましく見守っていると。

「「ぎゃはははは！！」」

元気な笑い声が聞こえ、走り回る男の子たち。

バタバタとこちらに走ってきたかと思うと、私の足を柱のようにしてぐるぐると回り始める。

「こーら！」

腕の中に抱きとめるようにして、ヤンチャ坊主たちを制止する。

「もう、しょうたくん、たつやくん。怪我したら大変だよ？」

「けがしないよ！」

「ぶつかったら危ないでしょ。」

「はあーい。」

2人は、全く反省していないようで。

お互いに目を見合わせて、なんだかニヤニヤしている。

全くもう…と、小さく息を吐いた。