ぶりっ子してたはずなのに《2》【呪術廻戦】

EPISODE77 ページ50

『任務…ほっぽり出しちゃダメかな…』

また東北まで行くの…？

めんどくさすぎじゃない？



『うーん…仕方ない…行こう…』


きっと今の私の顔は苦虫を噛み潰したような顔だろうな



そんな顔のまま高専を出ようとすると近くに傑の姿が見えた



『あ、おーい傑〜！』


呼んでも返事はない



『はぁ？無視ぃ？サイテー

す･ぐ･るぅぅう!!!!ｹﾞﾎｯｺﾞﾎｯ!』

デカい声出しすぎた




しかし、やっと傑はこちらに振り向いた


傑「…Aか」





そう言った傑の顔はいかにも疲れましたという顔をしていた





『…どうしたの？傑

顔色悪いよ…ちょっとやつれてるし』


心配になった私は傑に問いかけた



けれど傑は作ったような笑顔を貼り付け、大丈夫といった


『………


ねぇ傑、結構前のことなんだけど覚えてる？』


傑「？」


『私が倒れて傑が医務室まで運んでくれたことがあったでしょ？

その時私言ったよね、1人で抱え込まないでって

傑は優しいから…全部1人で抱え込んじゃう』


傑「そんなことは…」

傑が何かを言おうとしたが、それを無視し話を続けた


『でもね傑

人に相談して全てを打ち明けるのも優しさのうちのひとつなんだよ？

傑、何か悩んでるんでしょ？私にだけでもいいから言ってよ…』




私が問いただすと傑は悲しそうに笑った

そして、口を開いた



傑「あの時…星漿体の護衛任務の時、私たちは星漿体…理子ちゃんを守っただろう？」

『うん』


傑「だけど、盤星教の非術師達は私たちを責めたんだ

なぜ星漿体を殺さなかったのか、とね」



『……それで傑はどう思ったの…？』


傑「…なぜ非術師を守らなくてはいけないのかが分からなくなってきたんだ…

なぜ非術師から生まれた呪いを私たちが命をかけて祓わなければ行けないのか」


そう話す傑の顔は生気が抜かれたように、目に光が宿っていなかった


傑は私よりも大きいはずなのに、その時はとても小さく見えた



そして気づいたら、私は



「…っ！

A…？」



傑を抱きしめていた


『ごめん…傑がそんなに1人で悩んでるなんて知らなかった

もっと早く気づいてあげられれば良かった

ごめん…』


「A…っ」



傑は今にも泣き出しそうな声で私の名前を呼んだ


『でも…ダメだよ傑

傑言ってたじゃん"弱者生存、弱気を助け強気を挫く"って

その考えを曲げちゃダメ

みんな…悟だって悲しむよ

また何かあったら言って

私は傑の見方だから…！』

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