55ページ目 ページ14
.
銀「ほれ、終わったぞー」
ドライヤーから吹き出す風の音が止んで、代わりに銀さんの声が上から降ってきた。
その声と共にチョップが頭に降ってきたんだけどね。
理由は簡単。眠気に負けてたから。
貴「痛い...。あ、ありがとうございます。チョップは痛かったですけど乾かしてもらってるのは気持ちよかったです。」
銀「そーか。そらァよかった。」
貴「きっと...」
思わず言ってしまいそうになったある言葉。やってしまった。言うつもりなんてなかったのに。
とはいえ、口から出た言葉は戻ることなく銀さんの耳に届いてしまい、なんだ?と返された。
こうなってしまったら諦めるしかないよな。腹を括って言葉を紡いだ。
貴「きっといいお父さんになりますねって思っただけです。」
銀「そらどうも。ただ、」
貴「ただ?」
銀「俺なんかより、よっぽどAの方がいい奥さんになるだろうな。きっと。」
飯うめぇしな、と加えて。
貴「なれるといいですよね。それに、銀さんはなれますよ。相手さえいればですけどw」
ついこの前陵くんと別れたのに(といっても2ヶ月くらい経つけど)、それより向こうにある"結婚"の事を考えてしまうなんておかしな話だとは思うけど。
銀「なるだろ。銀さんが保障してやらァ。」
そう言って今度は先程チョップしてきたあたりの髪をわしゃわしゃしながら撫でられた。
いけない、なんで照れてんだろう。
相手は銀さんなのに。
銀さんらしくないことの連発だからだろう、と鷹を括っていると、私の髪を梳きながら
銀「にしても短くなったよな、髪。」
とたわいの無い会話を振ってきたから
貴「切りましたからね、そりゃあ。言っても伸びてきましたけどね。」
とだけ返した。
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
銀色(プロフ) - とても面白かったです! なので凄く続きが気になります。 大変だと思ういますが更新待ってます! (2018年4月3日 21時) (レス) id: 54384483c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みや | 作成日時:2017年4月23日 11時