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兄貴。 ページ8

街は沢山の人で賑わっていた。
って言うかこんなに街のど真ん中を歩いてるっていうのになんで誰も私に気づいてくれない!

冥界の主だよ!?ここの主だよ!?

「…本当に人多いですね」

隣にいた少年がそう言う。

「あぁ、冥界に住んでいるものは少ないが、遊びに来るものは多いからな。天国と地獄を行き来するためにもここを通るし」

「まるで観光地ですね」

「まぁ、わざわざ見に来るほどの珍しいもんはないがな」

「…珍しいものあるじゃないですか」

そう言って少年は私を見上げた。

なんだ? わざわざ見に来るほどの珍しい物があったらこの私が見落としている筈がない。

少年はまだ私を見上げたままだ。なんで…

……あ。

「 もしかして…私!?」

「ほかに何があるんですか。冥界さんが一番珍百景です。」

「なんだよ 生きた珍百景ってか?」

そんな話をしていると道のど真ん中に人だかりができているのに気がついた。

「なんだあれ…」

「なにかあるんでしょうか」

「行ってみよう」

人だかりに集まるのが人だ。

「ちょっ 押すなって こらっ冥界の主だぞ!」

押されまくってようやく人だかりの中心にたどり着いたがよろけて尻餅をついてしまった。

「いって……」

「フッ」

「おいお前、いま鼻で笑ったな!?」

「笑ってないです。 でも、やっぱり小さい方が便利ですね。」

少年は何事もないようにそう言う。

「あっそう」

「お前にもわかるか?」

「?」

起き上がろうとしたらごっつい声が響きわたった。

ヤベェ…『ヤ』のつく人とかだったらマジでやべぇ。

冷や汗ダラダラ流しながら顔を上げると少年くらいの背丈の男の子(?)がベンチに座っていた。

「……え」

思わず周りを見渡す。『ヤ』の付く人は??いない??

「はい、わかります」

少年はそう答える。

あれ、誰と喋ってんの?目の前の男の子(?)?

いやいやまさか。あんなごっつい声…

「うむ。お前とは分かり合える気がするぞ」

再びあのごっつい声が響く。

……コイツかぁあああああ!!!!

えぇ?なに!? 近頃の子はこんなに声変わりが早いの!?えぇ!?

「うむ。そんなお前にミロを与えよう」

「光栄です」

少年はそう言って丁寧にお辞儀をした。


〜冥界の主観察日記〜

・冥界さんは『ヤ』のつく怖い人達が苦手。

「べ、別に苦手ってわけじゃないもんっ」

「そんな風に言ったって可愛くないんですよ」

兄貴。2→←鈴芽さん。



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作品ジャンル:ギャグ, オリジナル作品
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黒猫柚月(プロフ) - 少年君、面白いです! (2016年5月26日 21時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜アルペジオ(プロフ) - たのしみにしてます!! (2016年2月26日 17時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
白桜 - とても面白いです!いつも読ませてもらってます。 (2016年2月11日 20時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - おもしろかったです!よかったら私の作品 見てください (2016年2月10日 15時) (レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - ヘモグロビンさん» いえいえ。ありがとうございます。 (2015年12月25日 20時) (レス) id: a1946caf5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でんでんむしの奇行種 x他2人 | 作成日時:2015年3月7日 20時

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