冥界さんのおごり。 ページ25
「それでは、お決まりでしたらお呼びください」
ここは冥界のとあるファミレス。その名を知らぬものはいないというほどの有名なチェーン店で、天国にも地獄にも数軒存在している。
ウェイターの案内で窓の側にあるボックス席に通されて、少年と向かい合わせに座る。
そう。あのお盆の後、少年がどうしても機嫌を直してくれないので、思わず
「オムオム奢るから機嫌なおして!」
と口走ってしまったのだ。どこのヘタレ彼氏だよ。
しかも少年はその言葉を待っていたようで瞬間的に機嫌が直った。
しかも言い逃れできないようにさっきの言葉をきっちりと録音をしたという。
こいつはいつも録音機常備してるのか?
まぁそんなこんなでファミレスに来ているわけでして。
私がひたすら出されたお冷を飲む隣で、少年は遠慮もせずにメニューを手にとって眺めていた。
「言っとくけどおごるのはオムオムだけだからな そのほかのやつはダメだからな」
「わかってますよ」
しばらくして、少年はテーブルの隅にあるチャイムを押して、ウェイターを呼んだ。
スラスラと料理の名前を伝える少年を見て、ちょっと引いた。
お盆が過ぎ、冥界は今までの静けさが嘘であったかのように活気で溢れかえっていた。
正直、この前の件はあれで終わっちゃっていいのかと突っ込みたいところだが、作者の文才の問題もあるし、一段落したからとりあえず良しとしよう。
「お待たせしました〜 スーパーデラックスオムオムです〜」
しばらくしてウェイターが数人がかりで料理を運んできた。
ドンッと言う音と共にテーブルの上に乗せられたのはテーブル全体を占領するほどの謎の塊。
「それでは、ごゆっくりどうぞ〜」
ウェイターはそれだけ言うと逃げるかのように去っていった。
おい…これは一体どういうことだ。
〜冥界の主観察日記〜
・冥界さんはただの引きニートでヘタレである。
「え、ちょっ、待って…それ…ただのハウスダストじゃん…家の く ずじゃん… 私ってそんなにダメ人間かなぁ…」
「そもそもあなた人間ですか?」
「もう…やめてっ……泣きそうっ…」
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黒猫柚月(プロフ) - 少年君、面白いです! (2016年5月26日 21時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜アルペジオ(プロフ) - たのしみにしてます!! (2016年2月26日 17時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
白桜 - とても面白いです!いつも読ませてもらってます。 (2016年2月11日 20時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - おもしろかったです!よかったら私の作品 見てください (2016年2月10日 15時) (レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - ヘモグロビンさん» いえいえ。ありがとうございます。 (2015年12月25日 20時) (レス) id: a1946caf5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でんでんむしの奇行種 x他2人 | 作成日時:2015年3月7日 20時