冥界の主と少年。 (ページ13)

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魔物召喚。ページ13

「どうだ!! これが冥界の主の実力だ!!」

私は召喚した魔物の前に立ち、得意気に言った

「………何と言うか……可愛いですね」

そう言って少年は私の背後にいる魔物に近づいた。

「え!?」

予想外の反応に、振り返る。するとそこには少年にすっかり懐いているモフモフとした大きなヒョウが座っていた。

「これは魔物って言うより…ゆるキャラですね」

そのヒョウはつぶらな瞳をしていて、ぬいぐるみの様にモフモフしていた。見た目もただのデッカイぬいぐるみである。
少年はひたすらヒョウを撫でていた。
すっげーモフモフしてんな…ヤバイ…冥界さんもモフモフしたいっ!!

「…って言うか冥界さん、」

「ふぁい!?」

ゆるキャラのような魔物に抱き着こうとしたとき、急に少年に呼ばれてハッと我に返る。
あぶねぇ…
変な返事をしたがこの際気にしないでおこう。

「な、何かね？少年君？」

「いや…こんな可愛い魔物を召喚するなんて、冥界さんの頭の中は随分とお花畑なんだなと思いまして」

「違うからな!?ほら、あれだ、平和ボケしてるだけだ!」

「そういう人の脳内は大抵お花畑です」

あぁもう!! なんなんだコイツ!!

「そんなんだったらお前もやってみろよ! お前に魔物召喚なんて出来るのか!?」

腹が立ったので、思わずそんなことを口走ってしまった。

「もちろん出来ますよ？」

「嘘付けだったらここでやってみろよ」

これなら言い逃れできないだろう。
私がそう言うと、少年は「はぁ…」と溜息をついた。

「そんなに言うなら仕方ないですね…」

え、ガチでやるの？これ

少年は静かに目を閉じ、呪文を唱えた。

その瞬間。

「 !? 」

風が吹き荒れ、地響きが轟、眩い光があたりを包む。少年の足元に魔界の文字の羅列が螺旋になり無数の円を描いていた。
やがてその円から巨大な影が現れた。
その影は次第にはっきりとした形になっていく

「解」

少年はそう言って、目を開けた。

いつの間にか光も風もなくなっていて、いつもの部屋にいた。
しかし、少年の背後には天井につきそうなほど巨大で凶暴な魔物がたっていた。

「まぁ…ざっとこんなもんです」

「……なめた態度とってスミマセンデシタ」

…この子冥界さんより強いじゃん。冥界さんそろそろ引退時かなぁ…

「是非そうしてください。後は僕に任せて」

「お前が冥界の主になったら世界破滅するわ!!」

～少年の秘密～

･少年は魔界書とか読んでたりする

「何ですか…これ」

「これでおあいこだ!」