戻ってきた。 ページ3
昨日は久しぶりに疲れたのでさっさと家へ帰って寝ることにした。
にしてもあんな少年がいたとは。世の中も大変だね…
「……主さん、冥界の主さん」
寝ていたら呼ぶ声が聞こえてゆっくりと目を開ける。
「んあ?」
「んあ?じゃないですよ だらしがないですね」
「……」
それが昨日の少年であることに気づくのにしばらく掛かった。
「もうお昼すぎですよ」
「ワアアアアア!! な、なんでいるんだ!?」
突然の侵入者にビックリしてガバッと体を起こす。
「冥界の主さんがあまりにも遅いから起こしに来たんです」
「余計なお世話だ!!どうやって入ったんだよ!!不法侵入だよ!?」
「玄関のドアが開いてたので」
嘘ぉおお!? あれっ 閉め忘れた!?
そう思って青くなっていると、少年のポケットの端からキラリと光る何かが見えた。
「…少年よ…そのポケットから見える銀色のものは何かね?」
「…なんでもありません」
「嘘付けぇえ!! 鍵だろ!なんだなんだ合鍵か?? いつ作ったんだよ?!」
「…天国の門をくぐる前、あなたの横を通った時にポケットから鍵をとり、粘土で型をとって天国で鍵を作ってもらいました」
「いつの間にそれだけのことをこなせたんだよ!?
って言うか女の人の部屋に不法侵入って十分変質者だぞ!!」
「え、女性の方だったんですか!? これはこれは…失礼しました」
そう言って少年は深々と私に頭を下げた。
「謝るところソコ!? 地味に傷つくんだけど!って言うかお前 昨日天国へ行ったんだろ!?」
「はい 戻ってきました」
「戻ってこなくていいよ!!」
天国が気に入らないのか!?贅沢な坊ちゃんだなぁおい!!
「なんで戻ってきたかは知らないが、世の中には天国に行きたくても行けない人達がいっぱいいるんだぞ!」
「お母さんみたいなことをいいますね 地獄は18歳未満立ち入り禁止じゃなかったんですか?」
「うるさいなっ 送ってやるからさっさと帰れ」
そう言うと少年は俯き、黙り込んだ。
「っ…わかったよ…ここに居たければ居ろ」
どうせ子供が使う卑怯な手だと分かっているのに、私はまんまと引っかかってしまった。
「…!」
「ただし、働かざる者食うべからず!私の手伝いもしっかりするんだぞ」
「....ありがとう ございます」
理不尽にも私は子連れになった。
〜冥界の主観察日記〜
・冥界の主さんはショタに弱い。
「やめろよ! 私がショタコンみたいじゃないか!」
「違うんですか?」
「ちがう!!」
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黒猫柚月(プロフ) - 少年君、面白いです! (2016年5月26日 21時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜アルペジオ(プロフ) - たのしみにしてます!! (2016年2月26日 17時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
白桜 - とても面白いです!いつも読ませてもらってます。 (2016年2月11日 20時) (レス) id: b28f5a93d4 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - おもしろかったです!よかったら私の作品 見てください (2016年2月10日 15時) (レス) id: d722fb9a07 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - ヘモグロビンさん» いえいえ。ありがとうございます。 (2015年12月25日 20時) (レス) id: a1946caf5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でんでんむしの奇行種 x他2人 | 作成日時:2015年3月7日 20時