クロワッサン ページ47
A「何から食べます？」
丸「じゃあ〜Aちゃんおすすめのクロワッサンから。」
パラソルが着いた席。
ちょうど均等に影になってて、心地よい･･･とは言えんけど、風も吹いてて海がキラキラして気分は最高やった。
A「じゃあ私もクロワッサン食べよ。」
丸「この後隣のショッピングモール行かへん？」
A「いいですね。あ、クラゲの置物とかないかな？」
丸「じゃあ、海遊館のおみやげ屋さん行ってから行こか。」
A「観覧車もあるけど、中は暑ないんかな？」
ふとした時の敬語がない感じ。
意識してない感じで嬉しく思った。
丸「確かになぁ。涼しくなかったら蒸し風呂やな。」
観覧車かぁ。
俗に言う、テッペン行った時･･･
いやぁ、告白もしてないのに順番ちゃうもんなぁ。
じゃあ告白してから･･･
そんなんしてたらテッペン超えて、隣の人に見えてまうなぁ･･･
あっ、乗ってちょっとしてから告ってテッペンで･･･
それがいいかも。
僕はもうAちゃんに告白する事だけをひたすら考えてた。
その時、Aちゃんの携帯がなった。
A「ちょっとすいません。」
Aちゃんは携帯を見て怪訝そうに電話に出た。
A「もしもし、何？」
相手は誰だろうと見ているとさっきまでの冷たい態度から、今度は泣きそうな顔になった。
A「うん･･･うん･･･わかった。うん、大丈夫。はい･･･お母さん達も気をつけて。はい･･･」
相手はお母さんやったみたい。
丸「お母さんから？」
相変わらずAちゃんは泣きそうな顔をしてる。
A「･･････」
丸「ん？どないしたん？」
A「･･･母方のおばあちゃんが亡くなって･･･今から広島に行かないといけなくて･･･両親と弟は今から向うって。」
丸「え？ああ、ほんなら早く帰って行かな！」
A「家族はもう出るので、私は後から来なさいって。」
丸「ひとりで？」
A「何回も行ってるのでそれは大丈夫なんですけど･･･せっかくのデートが･･･」
丸「そんなん、これからまた誘うよ！それよりおばあちゃんにちゃんとありがとう言わな。」
Aちゃんの食べかけのクロワッサンを元に戻して、急いで帰り支度を促した。
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作者名：MARUTAKA | 作成日時：2022年3月15日 23時
