ボクにしときんか。 ページ30
「A、まだ間に合うから、健人やなくてボクにしときんか」
背もたれに両手をついて、座席に閉じ込められる。
『ごめんなさい。あたし、今はどなたともお付き合いできないんで』
間近で見つめられて、どきどきしちゃったけど
九条さんの圧に負けへんように、あたしは、睨み返す。
「どなたともって、え？何で？健人は？」
『はい。お付き合いなんて、できません』
「え？何で、何で？抱かれたんやんなぁ」
『それにお応えするつもりは、ないですけど』
『大阪と、岡山やし、ちょっとｲﾛｲﾛあるんで、あた…む、んっ』
いきなり唇を重ねられ、舌を吸われて
『んはぁっ…なに…するんですか！』
両手で九条さんの胸を押したけど
耳朶をなぞりながら、顎を掴まれて
「ふうん…じゃあ別に付き合わんでも、抱かせてくれるのや」
あたしの鼻にまた、九条さんの鼻が触れ、唇が近付いてきたから
窓の方を見て、やりすごす。
『…やめて、下さい』
「ボクのほうが、健人よりもいろんなｺﾄ、教えてあげれるし」
「セ☆フ☆レとしては、優秀やと、思うよ」
『…別に、そんなんいりません』
「ほんなら何で、健人とャったん？」
『応えたく、ないです』
「やったら、応えんでもええから、一回ボクを試してみてよ」
『お断りします』
「そんなに健人が、好きなん？」
『好き、です』
「ほんなら何で、付き合わへんのん？」
「健人、カキタレとかそんなつもりないやろ」
『あたし、ほんまにちょっとｲﾛｲﾛややこしいんです』
『健人さんを巻き込みたくないから…』
「なら、ボクを巻き込んだらええんやないの？」
「ボクでは、代わりにならん？」
『えっ？そんなん…』
「ズルくなったらええんやないん？」
「お互いに深く考えんと、都合がええ時だけ、気持ち良くなったらええのや」
『九条さんと、そんな風になるつもりありませんし、大丈夫ですから』
「はっきりきっぱり、そんなｺﾄ言われて」
「ボクは大丈夫では、ないのやけどな」
もうA、新幹線に乗ったんやろうな
何で、ライン既読ならんのやろ
やっぱりスマホ、おかしいんかなぁ
音声通話しても、インスタのDMも全く反応ないから
ほんまに、気になってしょうがないけど
今日はまだまだ、出番も打ち合わせもあるし
Aを送った時の、ﾍﾝな感じを
気のせいやと、思いたいのに
ずっと脳が、違和感を訴えてる
スマホで、スケジュールを確認する。
最短で、３日後
舞台終わってから
やな
誰とも付き合えへん理由は。→←既読にならへんラインと、帰りの新幹線。
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すーゆみ(プロフ) - 朝凪さん» めっちゃ嬉しいです。コメントありがとうございますm(_ _)m只今、現実世界で将来のための最終ミッションのため、更新が中々できていません。お待たせしちゃって、ほんまに申し訳ありませんm(_ _)m (2022年1月11日 7時) (
レス) id: dfaa17b8c0 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪 - 設定やストーリーが素敵で一気に読み進め何度も読み返しています！ 要所要所の言い回しも綺麗でとても好きです。続きが読めるのを楽しみにしています (2022年1月6日 1時) (レス) @page39 id: f50a50fbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2021年1月20日 21時
