そんなはず、ないやん！ ページ26
『単独終わりでお疲れやから、早く帰って休んで下さい』
「俺、休みやし、こんな時間に独りで歩くん危ないから」
繋いだ手から、健人さんの優しさが溢れてる。
…そんなに、あたしなんかに優しくせんでも、ええのに
たぶんもう
お会いすることなんて、ないんやから
さっきまでのｺﾄ、あたしめっちゃ幸せやったし
これから先、たぶんｲﾛｲﾛあるかもやけど
素敵な想い出は、ずっと、ず〜っとあたしのなかにあるから
あたしは、きっと大丈夫
やから健人さん、ゆっくり休んでまた、いっぱい笑わせて下さい。
ほんまに、ありがとうございました。
これからもずっと、あなたを好きなままの
あたしでいても、いいですか？
『送って頂いて、ありがとうございました』
カモンホテルのすぐそこの曲がり角で
Aがにっこり笑って、お辞儀をする。
手を離さへん俺に、ちょっと困った顔してる？
『…あの、おやすみなさい…』
「明日、何時の新幹線なん？」
『11時過ぎです』
「マジかぁ…ちょうど漫劇の出番あるわ」
『お忙しいのに、そんなん大丈夫ですから』
応える声も、瞳も、何やﾍﾝな感じする。
「休みやなくても、時間つくって俺、会いに行くから」
抱き寄せて、顔を覗き込む。
『無理しないで、下さい』
「何で瞳ぇ、逸らすん？」
『…だって、こんな処で』
「周り、誰もおらんで」
『遠いし、お忙しいのに…』
「俺が会いたいから」
「Aに会いに行くねん」
「A、後悔しとるん？」
「俺と出逢って、さっきまで一緒におったこと」
『後悔なんか、してへんから』
応える瞳のﾋｶﾘがつよく、眩しすぎて
俺の瞳を
想いを
跳ね返してる…？
そんな、まさか…な
『ほんまに、ありがとうございました』
戸惑う俺の、腕の隙間から
抜け出したAは
また、お辞儀をして
背中を向けた。
“A、待って！”
“明日、出番の前に少しだけでも！”
“頑張って早起きして、時間つくるから”
頭ん中で、言えへんかった台詞がずっと
くるくる廻り続けて
脳が、違和感を叫んでる
俺、何や可怪しくなっとる？
《もうこのまま、２度と！》
《Aに、会えんくなる？！》
そんなはず、ないやん！
わざわざ岡山から、単独を見に来てくれて
俺のｺﾄを、ファンとしてだけやなく
男性として、好きやって
お互いの、心も身体も、確かめあった
はずやのに
Aが想うよりも、ずっと
俺は、Aが好きやし
本気なんやけどな
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すーゆみ(プロフ) - 朝凪さん» めっちゃ嬉しいです。コメントありがとうございますm(_ _)m只今、現実世界で将来のための最終ミッションのため、更新が中々できていません。お待たせしちゃって、ほんまに申し訳ありませんm(_ _)m (2022年1月11日 7時) (
レス) id: dfaa17b8c0 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪 - 設定やストーリーが素敵で一気に読み進め何度も読み返しています！ 要所要所の言い回しも綺麗でとても好きです。続きが読めるのを楽しみにしています (2022年1月6日 1時) (レス) @page39 id: f50a50fbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2021年1月20日 21時
