コントロール、できんかも。 ページ20
〈明後日、ボク休みやから〉
〈何時でも、何処でもええよ〉
〈新大阪駅とか、なんやったら、岡山まで一緒に行こかな〉
これって、冗談よね？
〈何で、あたしなんかに会いたいんですか？〉
健人さんから、返信
〈了解！18時頃、漫劇に行きます〉
九条さんから、返信
〈ボクが、そうしたいから〉
〈あかんのん？〉
〈九条さんにお会いするの、なんかコワイです〉
ん？
ライン電話
「ボク、そんなコワイ？」
『コワイです』
「健人と、キスした？」
『えっ！何で……』
「ふうん」
「まぁ、ええわ」
「じゃあ、明日漫劇で」
スマホを持ったまま、鏡の中のあたしを見る。
『はぁ』
「Aちゃん、遅い〜」
『あ、ごめんなさい』
「あたしも、お手洗い〜」
ななみさんがいなくなって、Aをじっと、見つめる。
「トイレやのに、ラインしてごめん」
『いえ、あたしもほんまは、健人さんと２人でもう少し、お話したかったから』
「え、ほんまに？！」
嫌われたんやなかったんや
「はぁ、良かったぁ」
「嫌われたんやと、思ったぁ！」
ん？
また、ライン？
〈Aちゃん、お邪魔しました！〉
〈後はお２人で、ごゆっくり！〉
〈健人さん、Aちゃんの事が、好きみたい！〉
手に取る前に、画面に表示されてしまって
顔を上げたら、健人さんも画面を見てた。
「ななみさんにも、バレてもうてるわ」
『あたし……』
「ごめん、俺、もう帰るわ」
立ち上がる健人さん。
『あたしも、好き……です』
「え？」
『ファンとしてだけやなくて、男性として、健人さんが好きです』
見上げるあたしに驚いて、また座り直す。
「それ、ほんま？」
『ほんま、です』
「Aさん、遠距離なるけど、俺と付き合って、下さい」
『めったに会われへんのに……』
「俺、休みには岡山行くわ」
『あたしも、大阪に来ます』
「ラインで、テレビ電話できるし」
『いつでも、ＤＭできるから』
胸がいっぱいで、苦しくて
だけど、顔も身体も熱くて
どきどきしながら、健人さんを見つめる。
「A、行こう！」
そんなあたしの、手を引いて、立ち上がる。
「Aが、欲しい」
引き寄せられて、耳元がくすぐったい。
「あかん、かな？」
恥ずかしいから、黙って首を横に振る。
Aの肩を抱いて、ゆっくり歩く。
たぶんA、初めてやん
大切にしたいけど、俺
優しくできるかな
Aが可愛い過ぎて、コントロールできん
かも、しれん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「お笑い芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すーゆみ(プロフ) - 朝凪さん» めっちゃ嬉しいです。コメントありがとうございますm(_ _)m只今、現実世界で将来のための最終ミッションのため、更新が中々できていません。お待たせしちゃって、ほんまに申し訳ありませんm(_ _)m (2022年1月11日 7時) (
レス) id: dfaa17b8c0 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪 - 設定やストーリーが素敵で一気に読み進め何度も読み返しています！ 要所要所の言い回しも綺麗でとても好きです。続きが読めるのを楽しみにしています (2022年1月6日 1時) (レス) @page39 id: f50a50fbe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すーゆみ | 作成日時：2021年1月20日 21時
