夢と現実の狭間なん？ ページ14
山田side
『そんな事、言わないで下さい！あたしもうほんまに、いっぱいいっぱいやから！』
「や、ほんまにどんな人が小説書いてんのか、めっちゃ気になっててん」
俺の言うた事、目が合っただけでも、反応するAが面白くなってもうて
つい、からかうというか、ドッキリみたいなんを、仕掛けてみたくなってしもたんや。
Aを見つめたまま立ち上がって、すぐ横に座った。
『え？』
メガネを外して、テーブルに置く。
『健人さん、どうしました？』
右手で顎を掴んで、じっとAの顔を見た。
真っ赤な顔で、俺を見上げてる。
ほっぺたにくっついてる睫毛を、取ろうと左手を伸ばしたら、驚いて目を閉じてる。
頬に触れた指先に、ビクッとして、目を開けたAは
はぁーっと、ため息をついて、俺を睨んだ。
あまりにも予想通りの反応に、笑ってもうたら
『からかうのは、やめて下さい！』
「ごめん、ごめん！もしかして、キスとかされると、思たん？」
応えずに俺を見る瞳が濡れてて、今にも溢れそうに光ってる。
黙ったまま、俺の手を外したAの、瞳から１滴の涙が零れた。
その瞳に影を落とす睫毛も、ほんのり桜色に染まった頬も、綺麗過ぎて
「ほんまに、ごめん。ちょっと冗談って言うか、ドッキリのつもりやってん……」
『あたしこそ、ごめんなさい。そうですよね！』
恥ずかしそうに笑って、指先で頬の雫を拭って笑ったA
「ごめん、今更やけど……キスしても、ええ？」
『えっ？またまたぁ！もう騙されませんよ！健人さん！』
桜色の頬にそっと、両手で触れたら
真っ直ぐな瞳で、俺を見てる。
やっぱり、あかんよなぁ。
そんな、俺の戸惑いが伝わったみたいで
微かに頷いたAは、また俺を見つめて
ゆっくり、瞳を閉じた。
ファンに手を出してるんや、ないねん
そうかもやけど、出逢ってしまったから
軽い気持ちや、もちろん、遊びのつもりやない
出逢いは、ファンと芸人やったけど
Aに惹かれてるし、たぶんこれからきっと、大切な人になりそうやから
いろんな想いや、迷いが、頭ん中、駆け巡ったけど
唇を重ねたら全部、そんなんは何処かへ、消えてった。
唇が温かくなって、頬に触れる手から、健人さんの熱と、迷いをなんとなく感じた。
頭がぼーっとして、夢と現実の狭間を漂ってる。
あたしの描いたお話の中に、迷い込んでるんや。
やないと、説明が付かへん。
唇が離れて、おでこをくっつけたまま見つめ合った。
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すーゆみ(プロフ) - 朝凪さん» めっちゃ嬉しいです。コメントありがとうございますm(_ _)m只今、現実世界で将来のための最終ミッションのため、更新が中々できていません。お待たせしちゃって、ほんまに申し訳ありませんm(_ _)m (2022年1月11日 7時) (
レス) id: dfaa17b8c0 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪 - 設定やストーリーが素敵で一気に読み進め何度も読み返しています！ 要所要所の言い回しも綺麗でとても好きです。続きが読めるのを楽しみにしています (2022年1月6日 1時) (レス) @page39 id: f50a50fbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2021年1月20日 21時
