現実やけど、夢みたい。 ページ11
Aside
『ななみちゃん！初めまして！』
「やっと会えたね！Aちゃん！」
『急に予定変更して、ごめんなさい！』
「そんなん、いいよ！あたしも急用で直接、漫才劇場に来たんやから」
『まぁ明日は朝いちから、ずーっと劇場やし、楽しもうね！』
「うん！そうやね！あー、洲崎さんを間近で拝見できるやなんて、夢みたいやわぁ！」
『あたしも、健人さんとおんなじ空間に存在できるんがなんや、申し訳ない様な気がする！』
お互いに顔を見合わせて、ニヤニヤしちゃう。
「さぁ、早く入っちゃおう！」
『うん、行こう！』
山田side
舞台の上から、客席を見渡した。
この中のどの人が、Aさんなんやろ？
小説やドラマやったら、“その人から目が離せん”とか
“そこの席だけ、輝いて見える”とか
表現されたりするけど、ほんまにそんな事ある？
ん？
いや、まさかなぁ。
今、目が合ったお客さん
俺のイメージぴったりなんやけど
ずっとおんなじ人ばっかり見てたら、キモいやろうし
目ぇ、逸したけど
めっちゃ気になる。
なんか視界の隅に、留めときたい。
こんな事って、ある？
Aside
始まってすぐに、健人さんと目が合った。
あの切れ長の瞳に見つめられて
ほんまにキューピットの矢って、刺さるんや。
もう、どうしようもない。
顔、熱くてしょうがないし
胸が苦しくて
鼓動は、16ビートよりもだんだん早くなっていってるし
なぜか、まだこっちを見てはるやん！
どきどきして、顔が動かんくなっちゃった。
健人さんから、瞳が逸らせへん！
やっと視線が外されたけど
健人さんがあたしを、意識してる？
様な気がする。
そんなまさか、自意識過剰やわ！
ありえへんって！
単独ライブ中、何度も目が合って
コンタクト、してはるやんなぁ
もしかしたら、今日はコンタクト忘れてはるんかも
そうか、“何か変な人来てる！“
って思てはるんやわ！
きっと、そうや！
単独が終わって、ななみちゃんと別れて、ドンキに向かう。
スマホを気にしながら、なんとなくお菓子を見てた。
不意に周りの、空気が変わって
見上げた目線の先に
「Aさん？やんなぁ」
『はい』
「舞台の上から、すぐ分かった」
レンズ越しの瞳が、戸惑ったようにあたしを見つめる。
『目が合ったって感じたんは、気のせいやなかったん？』
「Aの周りだけ、違って見えるんや」
夢……なん？
そんな事、健人さんがあたしに、言う訳ないから。
現実の俺は。→←これって、夢？ ……そんなつもりやないねん ２
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すーゆみ(プロフ) - 朝凪さん» めっちゃ嬉しいです。コメントありがとうございますm(_ _)m只今、現実世界で将来のための最終ミッションのため、更新が中々できていません。お待たせしちゃって、ほんまに申し訳ありませんm(_ _)m (2022年1月11日 7時) (
レス) id: dfaa17b8c0 (このIDを非表示/違反報告)
朝凪 - 設定やストーリーが素敵で一気に読み進め何度も読み返しています！ 要所要所の言い回しも綺麗でとても好きです。続きが読めるのを楽しみにしています (2022年1月6日 1時) (レス) @page39 id: f50a50fbe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2021年1月20日 21時
