Always beside me theird "Takafumi Suzaki" (ページ41)

今日:11 hit、昨日:24 hit、合計:13,379 hit

冷ややかな眼への怒り。ページ41

お二人と別れて、角を曲がったら

「花菜ちゃん、こんな時間まで何処に行ってたん！」

「“お父さん、お母さんがおらんでも、ちゃんと規則正しい生活をしなさい！”って教えとったやろ！」

「ちゃんとしとるよ！今日はたまたま、ちょっとだ…」

左頬を殴られ、言葉と一緒に唾と血を飲み込んだ。

「言い訳すんな！久しぶりに帰って来てみたら、全く！やっぱりもう、例の学校に転校させるか？」

頬を押さえるあたしに、母が追い打ちをかける。

「そうやね。全寮制やから、生活もきちんと管理してくれるし」

「まぁ、しゃあないやろ。俺らは仕事が忙しいから、花菜にきちんと躾できへんし」

痛みと悔しさで、涙が溢れる。

「人に迷惑かけたり、法を守れん様な子になられたら困るし」

…結局、あたしも棄てられるんや

おばあちゃんみたいに…

『ちょっと待って下さい！』

あまりにも酷過ぎて、我慢できへんかった。

『いつもいつも、花菜ちゃん独りで買い物して、独りでご飯やお弁当も作って！』

『洗濯も掃除もして、それから学校行って勉強して』

『まだ高校生やのに、きちんと生活してますよ！だらしない生活してたら』

『その玄関の寄植えのお花とか、枯れてるんやないですか？』

「そうやな、めちゃくちゃしとったら、花に水やったり、掃除洗濯なんか、出来へんよな」

『家の中、散らかってますか？洗濯物とか、溜まってたり、キッチン、流しに洗い物とか、ゴミとかで、ぐちゃぐちゃなってますか？」

頬を押さえたまま、花菜ちゃんが涙目で振り返る。

その後ろ、仕立てのいいスーツを着た男女は

たぶん、花菜ちゃんのご両親

「何方様か知りませんけど、ウチの娘の事に口出しせんとってくれます？！」

ネクタイを緩めながら、面倒くさそうにあたしを見る。

「そうやね、ウチの家の事やから、他人にどうこう言われても」

あまりにも冷ややかな眼に、つい、言葉を失ってしまう。

「そりゃあ、他所の家のことですから、僕らも口出したくはないんですけど」

「まだ17のお嬢さんに、家事を押し付けて、独りっきりやのに、ご両親が殆ど家に帰らへんのは、どうなんですか？」

貴郁さんも、だいぶ腹が立ってるみたいや

『正直、ご両親がいなくても、花菜ちゃん、しっかりきちんと生活してますよ！でも』

『ほんまに、それでええと思てはるんですか？』

『お祖母様が施設に行かれてから、泣くんも我慢してずっと独りで、頑張ってた花菜ちゃんの淋しさが、解りませんか？』