リラックス…ティータイム。 ページ39
トレイに、ハーブティーのポットやカップを乗せて、ゆっくりリビングに向かう。
貴郁さん、優しいし、ほんまに素敵な人やから
花菜ちゃんや、この間の綺麗な元カノさんみたいに
たくさんの人に想われてるんよね
そんな貴郁さんのそばに、おる事ができて
あたしは幸せなんやけど
そのせいで哀しくなったり、ツラくなってしまう人が、たくさんいるんかな
申し訳ないけど
それでもあたしは、貴郁さんと生きてゆきたいから
彼に相応しい、あたしでありたいし
そうなれる様に、頑張ろう
と改めて、心に誓った。
テーブルにカップを並べるAさん
「Aが、ハーブティー淹れたから、とりあえず、飲も飲も」
トレイから、ティーポットやシュガーポットをテーブルに移動させたり
手伝ってる洲崎さんは、ほんまに自然体でさり気なくて
初めて見る、ゆったりした表情は、悔しいけど自宅やからこその、リラックスしたものやから
あたしだけやなくて、誰１人、２人を邪魔するんなんか無理なんやと
あらためて、感じた。
『花菜ちゃん、落ち着いた？』
心遣いに申し訳なくなって、ただ黙って頷いた。
まだ少し眼が赤いけど、花菜ちゃん落ち着いたみたい
やっぱり、貴郁さんに任せて良かった。
カップにハーブティーを注いでゆく。
『冷めないうちに、どうぞ』
「わぁ、いい匂い！」
カップを手に取った花菜ちゃんが、目を細める。
『カモミールは、リラックス効果があるんよ』
「カップ用意して、ポットあっためたん、俺なんやで！」
花菜ちゃんに、ドヤ顔してる。
「…え、あ…はい…」
『ちょっと、貴郁さんwww』
「ん、なに？」
『なんで、ドヤ顔？www花菜ちゃん、びっくりしてるよ』
「いえ、ありがとうございます。洲崎さんが用意してくれたなんて、ほんまに嬉しいです」
『花菜ちゃんって…ほんまに！』
思わず、抱きしめてしまう。
「かな〜！なんてええ子なんや！」
花菜ちゃんの頭を、わしわしする貴郁さん。
『ちょっと、やめてあげて！髪がぐちゃぐちゃなってるやん！』
「もう、子ども扱いしないで下さい！…でも、まぁ、ほんまに子どもやから…」
「しょうがないですよねー…だって子どもなんやもん…」
『花菜ちゃん…』
「そうかもやけど、俺の大切なファンやから、やから、ほんまにありがとう」
「それと、ほんまにごめんなさい。花菜ちゃん可愛いし、こんな30過ぎのおっさんやなくて」
「もっとずっと、ええ人に出逢えるはずやから…」
推しの幸せは、あたしの幸せ…やから。→←好きが溢れて、切なくて、苦しくて。
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2020年8月29日 20時
