幸せな朝。 ページ31
洲崎side
目が覚めて、あくびをしながらキッチンに行く。
シンクの洗い物は片付いてて、テーブルにはラップで包んだおにぎりと、おかずの入った保存容器。
あれ？
Aは？
お皿の玉子焼きをつまみ食いしてたら、玄関のドアが開いて、Aが戻って来た。
『あ、貴郁さん、目が覚めたんやね。おはようございます。』
「おはよう。どこ、行ってたん？」
『ちょっと、外の風に当たりに。』
「そんなん、ベランダに出れば良かったのに。」
『よく眠ってたから、起こしたくなかったん。』
「別に良かったのに。でも、ありがとう。」
『うん。コーヒーとミルクティー、どっちがいい？』
「うーん……今朝はコーヒーかな？』
『はい。すぐ準備するから、ちょっと待ってね。』
「弁当、作ってくれたんやな。ありがとう。」
『そんなにたいしたもん、作ってへんのに。ついでに、あたしのお昼ご飯もできたし。』
「手作りの弁当って、久しぶりやから、めっちゃ嬉しいわ！」
Aside
『喜んでくれて、よかった！』
チーズトーストに、ウインナー
コーヒーを淹れて、テーブルに運ぶ。
プレーンヨーグルトに、刻んだキウイをのせた。
「いただきます！」
「あー、美味しい！」
ぱくぱく食べる貴郁さんを見てると、ほんまに幸せで
「なんで、そんなに笑ってるん？」
ウインナーが刺さった、フォークを手に、首を傾げてる。
『だって、めちゃめちゃ美味しそうに、ぱくぱく食べてくれるから。』
「美味しいねんから、そりゃあ、そうやん。」
『いつも、美味しそうに食べてくれて、ありがとう。』
「そんなんこちらこそ、いつも作ってくれて、ありがとう。」
お互いに、軽くお辞儀をする。
『貴郁さん、大好き！』
「え？あ、ちょっと！そんな可愛い事言われたら、朝っぱらから襲いたなるから、やめてや！」
怒ってみせる彼の耳が朱い。
『ほんまに、好き……あたし、幸せやぁ。』
「ちょ……もう、やめてやぁ！もう！」
照れる貴郁さんが、愛しくて、可愛らしくて
手を伸ばして、その頬に触れたら
立ち上がった彼に、その手を取られて
あたしもテーブルに身を乗りだすように、立ち上がる。
身を乗りだした、彼の手に引き寄せられて
テーブルを挟んだまま、唇が重なり、下唇を甘噛みされ
長いキスの後、ため息をついたら
「続きは、帰ってからやな……なるべく早く、急いで帰るから！」
恥ずかしくなって、黙ったまま、頷いた。
「俺も、ほんまに幸せやで。」
想いが墜ちてゆく、壊れてゆく……→←昏くて意地悪な手紙、３通目。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すーゆみ | 作成日時：2020年8月29日 20時
