Always beside me theird "Takafumi Suzaki" (ページ3)

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嘘みたいやし、夢みたいや。ページ3

Aside

ガッツポーズしてる洲崎さんの笑顔がキラキラで、仕草も可愛くて。

「そんなに笑うなや！」

なんて、怒ってこちらを見た視線に、何だかどきどきしちゃう。

初めて会った時から細やかな気配りができて、とっさの機転が利く人やなぁって思てた。

隼人さんの気を逸らして、あたしを逃がしてくれたこと。

居酒屋で、妃とケンカして落ち込んでた時も、"飲み比べ"とか言うて気分を変えてくれて。

肩を抱かれてウインクされて、キレイな肌と長い睫毛にときめきが止まらなかった、あの夜。

ライブの前に、「手ぇ、ちっさぁ！」って言いながらあたしの手を取った長いキレイな指。

ライブでギターソロを弾き、抜群の歌唱力で歌う姿も。

ほんまにカッコよくて。

こんなに魅力的な人が、あたしなんかを好きやって、嘘みたいやん。

やから最初は、信じられんくてよそよそしくしちゃった。

いろんな事を思い出してるあたしに

「A、どうしたん？」

なんて画面越しにまた、じっと見つめられるから。

『何でもないよ。』

照れくさくなって、わざとそんな風に言った。

洲崎side

健人がAをおんなじ日に誘うって言うてたから、あかんかと思てた。

『京都行くんは、ほんまに久しぶりやわ。』

「そうなん？仕事で祇園花月行くからなぁ。俺らは。」

『あたし、きちんと家に帰ろうと思てるの。』

「え！ほんまに！？」

『山田さんにも、九条さんにも、皆さんにも気を遣わせちゃってるし。』

画面越しに俺を見つめる。

『いつまでも父から逃げたくないん。』

「お父さんにイヤな事言われて困ったり、悲しくなったらいつでも連絡して。すぐに迎えに行くから。」

『ありがとう。』

「健人の家やなくても俺のとこでよかったら、今からでも大丈夫やで、あ、変な意味やなくて、空いてる部屋あるし。」

『うん。どうしても行くとこがなかったら、お願いするね。』

「A。」

『はい？』

「明後日、楽しみにしてる。朝10時に病院に迎えに行くから。」

『あたしも、楽しみ！待ってるね。』

「おやすみ。」

『おやすみなさい。』

やけど、Aは電話を切らない。

俺も、切りたくなくて画面越しに見つめ合う。

『洲崎さん、切って。』

「Aこそ、切って。」

言い合いをして、どちらからともなく笑い出す。

「じゃあ、せーので。」

『うん。せーの。』

「何で、切らんの！？」

『洲崎さんこそ！』

ほんまに夢みたいや。