生姜を、買いに。 ページ19
洲崎side
「おはようございます。」
トキ「おはよー。」
「なんで、おんねん！」
トキ「今日は、ちゃんと出番あんねん！」
香番表を確認したら、ちゃんと藤崎マーケットって書いてあった。
「あ、ほんまや。」
トキ「確認すんのかい！」
「いっつも出番ない時も、用もないのに、おるやないですか！」
トキ「お前さぁー.....」
山田「おはようございます。」
トキ「あ、健人、洲崎がさぁ.....」
山田「トキさん、なんでおるんすか？」
トキ「あーもう、ラニーノーズ嫌いやわぁ！今日はちゃんと、出番あんねん！」
新山「いやいや、ほんまにいっつも用もないのに、おるからやんけ！」
トキ「お前ー！」
トキさん、にーやんにヘッドロックしてる。
「あ、健人。宅急便なんぼやった？」
山田「あー、ええよ。」
「いやいや、払うって」
山田「いらんって、Aへの餞別や。」
「餞別って、まぁある意味、そうかもやけど。」
山田「あー、ほんならお前へのお祝いやから、ええねん！」
「ありがとう。」
山田「ん、泣かすなや。泣かしたら、殺しますよ！」
こわ！
ネタっぽく言うてるけど、目がマジやわ。
Aside
洲崎さんを見送ってから、すじ肉を切り、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを切った。
あ、生姜買うの忘れてた。
とりあえず、すじ肉を冷蔵庫に入れて、出掛ける準備をする。
スマホとカバンを持って、戸締まりをして、部屋を出た。
スーパーに着いて、野菜売り場に向かう。
生姜を持って、レジに並んだ。
ちょうどみんな、仕事の帰りなんかなぁ？
結構、並んでるわ。
「あ、買い忘れた！」
前に並んでる女子高生が、困った顔をしてる。
また、並び直すの大変やもんね。
「まだまだ時間かかるやろし、カゴ見といてあげるよ。」
「え？あ.....」
あたしの顔を見て、驚いてる？
「あ、いきなり声をかけて、ごめんなさい。よかったらカゴ見とくから、買い忘れた物、取ってきたら？」
「え、でも.....」
「また、並び直すの大変やん。」
「このお姉ちゃんの言う通りやで、はよ、行っておいで！」
あたしの後ろのおばちゃんも、そんな声をかける。
「すみません、ありがとうございます。」
一礼した彼女は、列からそれて、走って行く。
お揚げさんを持って、走って戻って来た。
「ほんまにありがとうございます。助かりました。」
カゴの中には、見切り品の野菜や、割引の鶏肉など、主婦顔負けの食材が入ってた。
おつかいなんかな？
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2020年8月29日 20時
