穏やかじゃなくなった、昼。 ページ18
洲崎side
二人でエレベーターに乗って、一階に下りる。
『お昼ご飯、何にしようかなぁ。』
「俺が、炒飯作ろっか？」
『あ、食べたい！夜は、何時頃に帰ってくるん？』
「たぶん、10時過ぎには帰って来れると思うで。」
『わかった。ご飯作って、待ってるね。』
「明日は、おはよう朝日やから、Aは、寝ててええねんで。」
『家にずっとおるし、テレビの洲崎さんを見たいから、大丈夫。ちゃんと"行ってらっしゃい"するよ。』
「ありがとう。もうほんまにA可愛いわぁ。」
あぁ、幸せやわぁ。
Aside
買い物を済ませて、マンションに戻って来た。
「あ、Aポスト見て。」
ポストのロックを外して、チラシや郵便物を取り出した。
部屋に戻って、買ってきた物を片付ける。
「ささっと炒飯作るから、座って待ってて。」
手持ちぶさたなので、なんとなく郵便物を手に取った。
ピザのチラシに、賃貸のチラシに、
ん？
差し出し人が書いてない？切手も、貼ってない。
ちょっと気になったけど。
「できたで！食べよー！」
『ありがとう。』
洲崎side
いつも通りに炒飯を作って、持って行く。
「『いただきます。』」
Aが食べるのを、見てた。
一口食べて、めっちゃ笑顔になってる。
『おいしい！昨日のナポリタンも、おいしかったし、ほんまにお料理が上手なんやね。』
「ありがとう。そんなに褒めてくれて、作りがいあるわ。」
『今度は、あたしが洗い物と片付けするね。』
顔を見合せて、二人で笑ってしまう。
「こうやって、ずっとずーっと、一緒に暮らしていけたら、ええのになぁ。」
『うん。ほんまやね。』
Aside
「え？なに、これ！？」
『どうしたん？』
洲崎さんの手元には、さっきの差出人と切手のない手紙があった。
〘その女と、今すぐ別れろ！〙
真っ白な紙に、真っ赤な文字で大きく印刷されてた。
『え.....』
あたしの表情を見た洲崎さんは、ぐしゃぐしゃに丸めて、ゴミ箱に投げ込んだ。
「こんなん、気にせんでええねん！」
『でも.....』
切手を貼ってないんは、直接ポストに入れたって事？やないんかな。
「何があっても、絶対に別れへんから！な！A！」
『あ、うん。』
「ほんまに誰やねん！ムカつくわ！」
あたしのせいで、変な手紙が入ってて、洲崎さんがイヤな気持ちになっちゃってる。
『あたしが、ここにおるからやね。ごめんなさい。』
「なんでやねん！Aのせいやないやん！」
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作者名：すーゆみ | 作成日時：2020年8月29日 20時
