12day. ページ13
貴方side
お父さんが亡くなってから、
毎晩、夢にお父さんが出てきた。
A「待って!行かないで、」
いつもそこで夢が終わる。
もう、お父さんにも会えない。
そんな現実を受け入れたくなかった。
お父さんが亡くなったのは
私が中学3年のとき。
もう受験だというのに
勉強が頭に入らなくて悩んでたな。
Sou「A、おじさんのためにも笑ってよ。」
A「えっ、笑ってるよ…?ほらっ」
その時初めて気がついた。
お父さんが亡くなってから半年、
それからずっと私は笑っていなかった。
いや、笑うことが出来なくなっていた。
A「えっ、何でっ」
Sou「いつも、寂しそうな顔してたからだよ。僕がいくら笑わせようとしても笑わなかった。」
Sou「これ、聴いてみて。」
目の前でスマホを操作しながら
とあるページを開いて私に見せた。
某笑顔動画だ。
そこにはun:cと書いてある。
差し出されたイヤホンを
手に取って
流れる曲に耳を澄ます。
歌の上手さよりも
ただ、この人の歌い方が好きだって思った。
A「この人なんていう人!?
他にはどんな曲歌ってるの??」
Sou「ぷはっ、やっとAらしくなった。」
A「あ、ごめん
ついこの歌い方が好きだなあって思ってさ笑」
Sou「いいよ、僕もその方が嬉しいし。Aが好きそうって思って。」
あの時un:cさんの歌ってみたに
どれだけ支えてもらったことか。
感謝してもしきれないくらい、
それくらい変われたんだ、私。
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作者名:宗架 | 作成日時:2015年10月11日 23時