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７３話 ページ26
■外■
雫「イナリ君」
イナリ「…」
雫「隣、座ってもいい？」
イナリ「…いいよ」
雫「…ナルト、悪気があった訳じゃないんだ。アイツ、不器用だし…」
イナリ「…」
雫「…お父さんのこと、タズナさんから聞いたよ。ナルトはね、小さい頃から両親がいないんだ」
イナリ「！」
雫「…いや、知らないって方が正しいか……それに、ナルトには友達すらもいなかった。イナリ君よりツラい過去を持ってる」
イナリ「えっ？」
雫「けどね、アイツ泣かないんだ。“夢”のために一生懸命で、命懸け…泣き飽きてるんだろうな。ナルトは、イナリ君のこと一番分かってるよ」
イナリ「！」
雫「…放っておけないみたいだしね((ﾆｺ」
イナリ「…」
…少し、僕の話もしておこうかな。
雫「…僕もさー、家族いないの」
イナリ「…雫さんも？」
雫「ん。小さい頃に殺されちゃった。ここはイナリ君と一緒だね」
イナリ「…」
雫「…親も、友達も……皆殺しにされた。でもね、大切な人達が出来たから“今の”僕があるんだ。イナリ君も、大切な人が出来たら分かるかもねー？」
イナリ「…大切な人って、どんな？」
…どんな……か…
雫「そりゃ、いろいろあるよ？…例えば、守ってあげたいとか…好きだとか…ずっと一緒に居たい、とか？」
イナリ「へー…」
雫「イナリ君にも、できるといいね((ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ」
少しだけ、ニコッと笑ってイナリ君を見た。
イナリ「…うん」
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作者名：yumiku | 作成日時：2017年7月2日 23時
